研究課題/領域番号 |
22330138
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
清水 孝 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (50216090)
|
研究分担者 |
小林 啓孝 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (40062187)
伊藤 嘉博 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (10168388)
山本 浩二 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (20166797)
|
キーワード | 管理会計 / 原価計算 |
研究概要 |
本研究は、わが国の『原価計算基準』が昭和37年中間報告後、一度も改正をされることなく経過したため、現代の生産環境に適合した原価計算を提言することを目的としている。本年度は、わが国の製造業に属する企業が、いかなる原価計算実務を採用しているかを、郵送による質問票調査によって明らかにすることを目標とし、実際に調査を行った。 事前にいくつかの企業にパイロットテストを行い、4名の研究者によって十分に質問を練り上げたのちに、2010年12月に日経NEEDSに製造業として分類されている1,283社に質問票を郵送した。回答は200社にのぼり、回答率は15.6%となった。この類の調査としては200社という回答は例外的に多く、企業もこの研究に対してきわめて注目していることがうかがえる。 さて、その結果については、集計が終了し、その内容を分析しているところである。もっとも特徴的なことをあげれば、『原価計算基準』が規定している内容以上の、いわゆる理論的原価計算と呼ばれる手法を、少なからず企業は採用しているということである。一例を示せば、補助部門費の配賦方法として、複数基準配賦法を使用している企業が、部門別原価計算を行っている企業のおよそ1/3あった。また、部分的にせよ、活動基準原価計算的な原価計算を行っている企業が同じく部門別原価計算を採用している企業のおよそ1/4あった。さらに、予定価格・賃率・配賦率などの活用については、原価計算のこれまでの理論ではまったく考えられていなかったような実務が採用されていることも明らかにされた。こうした点を分析し、早急に論文として発表するための作業を急いでいる。
|