研究課題
本研究は、在日外国人の社会移動を分析することを目的に立ち上げられた。「ニューカマー」と言われる在日外国人が急増した1980代以降、彼らは、これまでどの程度、そしてどのように社会的地位の向上を成し遂げてきたのか。在日ニューカマーの体系的なデータを収集することで、人の動きと社会移動の関係を見極め、新たな視点から日本の不平等問題について考察することとした。初年度は、主に調査票の準備と質的データの収集に従事した。面接対象者を主な集団である南米系、欧米系、中国人、韓国人に絞り、関東在住の20歳以上、外国生まれの長期日本居住者を中心に約130標本(130世帯)のデータを収集した。二年目は、質的データから得られた知見を基に、より広範囲な量的データを確保するため、インターネットを通じた調査を行った。約1100世帯を対象にしたデータを収集することができた。最終年度は、インターネット調査を継続することで、サンプル数を更に1800まで拡大した。その後、データ整理と分析を行い、結果の一部を国内外の学会で発表した。第一作目の研究論文、“Negative Assimilation: How Immigrants Experience Economic Mobility in Japan”(内閣府Discussion Paper No.293)では、在日外国人がホスト社会に同化していくことが、必ずしも彼らの経済的達成にはつながらないことを明らかにした。 現在は、移民第二世代の教育達成の要因について執筆中であり、今後もデータの分析を継続しながら、共同研究者間で外国人の社会移動分析を行っていく。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Discussion Paper, Economic and Social Research Institute, Cabinet Office of the Government of Japan
巻: 293 ページ: 1-39