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2012 年度 実績報告書

メディア環境における水俣病事件の構築と記憶

研究課題

研究課題/領域番号 22330157
研究機関法政大学

研究代表者

小林 直毅  法政大学, 社会学部, 教授 (10249675)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードメディア研究 / 水俣 / 記憶 / アーカイブ
研究概要

本年度は、これまで収集した諸資料を基に研究成果のとりまとめを行った。
「異議申し立て」の時代といわれる1970年代における水俣病事件報道のなかでも、とりわけテレビニュースは、「水俣」の闘いを繰り広げる患者とその家族、そして支援者たちの映像によって、この時代を象徴する水俣病事件を描き出していたことを明らかにする諸論稿をまとめた。
また、患者補償協定が締結される1973年7月に至るまでの間に、患者の「救済」と「補償」を等価に位置づけ、さらにその結果として患者の「認定」と「補償」とを等価に語るメディア言説が編制されていたことにも注目した論稿を公表した。これはとくに、患者認定制度と認定基準が水俣病を医学的に定義するものではなく、補償金の受給資格者を決定するという政治性を備えていることを見失わせるメディア言説の編制を明らかにするものとして重要である。
本助成事業をつうじて収集を進めてきた「水俣」のドキュメンタリー番組については、熊本放送制作の全番組の収集と基本的なインデキシングの作業を終えて、教育研究利用を目的とした「水俣」のテレビ・アーカイブの一部としての供用を開始した。
このほかにも、NHKアーカイブス・トライアル研究として推進した「水俣」のテレビ/アーカイブ研究の成果を、NHKアーカイブス、およびNHK放送文化研究所との連携のもとで、法政大学社会学部における正規授業の一つで利用する準備を進めた。これはNHKが制作した「水俣」のドキュメンタリー番組を十数編選定して、インターネットを利用して随時視聴可能な環境を整備することで、「テレビドキュメンタリー史としての水俣病事件」をテーマにした大学教育を展開しようとする他に類例のない試みである。この授業は、2013(平成15)年度秋学期に実施することが決定している。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「水俣病被害者の『救済』をめぐるメディア言説の分析―1968年~1973年の全国紙の報道を事例として―」2013

    • 著者名/発表者名
      山腰修三
    • 雑誌名

      『メディア・コミュニケーション』

      巻: 第63号 ページ: 45-52

    • 査読あり
  • [図書] 『放送番組で読み解く社会的記憶―ジャーナリズム・リテラシー教育への活用』2012

    • 著者名/発表者名
      早稲田大学ジャーナリズム教育研究所編
    • 総ページ数
      379
    • 出版者
      日外アソシエーツ

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公開日: 2014-07-24  

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