研究課題/領域番号 |
22330160
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
間々田 孝夫 立教大学, 社会学部, 教授 (10143869)
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研究分担者 |
藤岡 真之 弘前学院大学, 社会福祉学部, 講師 (60405727)
廣瀬 毅士 立教大学, 社会情報教育研究センター, 助教 (20571235)
寺島 拓幸 文京学院大学, 人間学部, 助教 (30515705)
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キーワード | 消費社会 / 脱物質主義 / 若者 / リスク / 環境 / 私生活主義 / 消費規範 / 個人化 |
研究概要 |
本研究の目的は、1990年代のバブル経済の崩壊やグローバル化の進展以降、多様化する日本の消費社会および消費文化の諸相について、理論および実証の両面から明らかにすることである。 3ヶ年計画の本研究プロジェクトにとって、平成23年度は2年目にあたる。当該年度に実施した研究の成果は、おもにつぎの二点である。第一に、初年度に首都圏において実施した大規模質問紙調査データをもちいた計量分析、第二に「消費とリスク」をめぐる理論的検討である。具体的には、前者は「脱物質主義」をめぐる諸仮説や「若者の消費意欲減退」言説の妥当性についての実証的検討、後者は「抗リスク消費」をめぐる歴史的位置づけの検討や、概念の類型化といった理論的検討である。 本研究プロジェクトは「脱物質主義」研究ユニット、「消費とリスク」研究ユニット、「若者と消費文化」ユニットという三つのユニットを組織している。これらのユニットに所属する研究分担者および研究協力者が、関東社会学会、日本社会学会、経済社会学会の全国大会にてそれぞれの研究報告をおこなった。日本社会学会では「文化と社会意識(2)」部会において、「多様化する消費生活に関する調査を通して」という共通論題のもと、6名が報告をおこなった。また、関東社会学会および経済社会学会では、それぞれ2名が研究成果の報告をおこなった。 消費社会・消費文化研究は、停滞する日本経済の再活性化や、環境問題等を克服する持続可能な社会の実現といった実践的課題への解を導出しうる重要テーマであるにもかかわらず、現在では理論的なブレイクスルーや実証研究の蓄積があまり進んでいない領域である。こうした現状に対して、上記の諸報告は、消費文化の先端的事例の解明や、長期的な社会変動を視野に収めた理論構築を試みたものである。これらの研究成果は、各専門学会において大きな意義をもつものであったといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、初年度には大規模質問紙調査を実施し、次年度には当該調査のデータ分析および、関連する諸理論の検討をおこなった。またこれらの研究成果について、複数の学会において報告をおこなった。さらに、いくつかの研究成果についてはすでに論文としてまとめ、学会誌へ投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究プロジェクトの最終年度である平成24年度は、前年度に複数の学会で報告した研究成果をさらにブラッシュアップし、論文としてまとめ成果報告書を刊行する。また、秋口には外部研究者を招聘し、立教大学にてシンポジウムを開催する予定である。さらに、研究成果を広く社会一般に公開するため、研究成果公開促進費を申請する予定である。その他、今年度もいくつかの学会にて研究成果の報告を予定している。 研究内容に関しては、各ユニットの理論および実証面での研究成果を総合することで、21世紀にふさわしい消費社会・消費文化研究の理論枠組みの構築、および新たな研究課題の析出をはかりたい。
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