研究課題/領域番号 |
22330162
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
山中 茂樹 関西学院大学, 災害復興制度研究所, 教授 (30411797)
|
研究分担者 |
北原 糸子 関西学院大学, 災害復興制度研究所, 研究員 (20460131)
田並 尚恵 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (90351957)
|
キーワード | 広域避難者 / 県外避難 / 震災疎開 / 阪神・淡路大震災 / 東日本大震災 / 首都直下地震 / 被災者支援 / 原発避難者 |
研究概要 |
本研究は、今後30年以内に発生するだろうと言われる首都直下地震において発生する膨大な避難者たちの行動を予測するとともに、その対応策を考えるのが目的である。そこで、北原は、前例となる関東大震災、田並は近年、大量の広域避難者を出した阪神・淡路大震災や4年5カ月の長期にわたって全島民が避難生活を送った三宅島噴火災害、山中は雲仙普賢岳噴火災害以降における被災者支援の事例を手がかりに避難の特徴抽出と制度設計に着手したが、2011年3月11日、東日本大震災が発生、実際に大量の広域避難者が生じた。このため、急遽、2011年秋から2012年初頭にかけて、連携協定を結んだ福島大学とともに福島県双葉8カ町村住民の悉皆調査を実施するとともに、本研究課題最終年度に予定していた広域避難者受入自治体の悉皆調査と全国に200余りある支援団体の調査を前倒しで一斉に実施した。併せてこれまでの研究成果を『漂流被災者~「人間復興」のための提言』(河出書房)として緊急出版するとともに、2011年10月、日本災害復興学会の年次大会で「広域避難・自主避難」の分科会を構成、過去災害を踏まえて東日本大震災の広域避難者支援に資する提言をまとめた。また、全国で広域避難者支援にあたっているNPOや研究機関を網羅した東日本大震災支援全国ネットワークとも連携し、研究成果が実際支援に反映されるようアドバイスを続けている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
東日本大震災の発生に伴い全国に被災者が避難したことから、福島大学とともに福島県双葉8カ町村住民の悉皆調査や、広域避難者受入自治体の悉皆調査、全国に200余りある支援団体の調査を一斉に実施することができ、自治体の意向把握や資料収集が一気に進んだ。
|
今後の研究の推進方策 |
東日本大震災の発生を受け、首都直下地震の見直しが行われ、本研究のスタート時点より被害想定が大幅に増大した。このため、広域避難者のボリュームも上方修正を余儀なくされ、受入自治体の能力を超える恐れが出てきた。社会的混乱を極力抑えるには発生後の対策のみならず、発災前における負荷の軽減を考えざるをえず、今後は政府が一旦、終止符を打った首都移転や首都機能分散についても再度、考慮に入れる必要が出てきた。首都移転については、これまで間接経費で関係資料の収集を進めてきたが、本研究の終了後、本格的に取り組むことを考えている。
|