研究課題/領域番号 |
22330164
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研究機関 | 高野山大学 |
研究代表者 |
藤吉 圭二 高野山大学, 文学部, 准教授 (70309532)
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研究分担者 |
森本 祥子 学習院大学, 人文学研究科, 助教 (80342939)
磯村 和人 中央大学, 国際会計研究科, 教授 (60241733)
水垣 源太郎 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (10294274)
安倍 尚紀 東京福祉大学, 教育学部, 講師 (90401710)
岡田 順太 白鴎大学, 法学部, 准教授 (20382690)
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キーワード | アーカイブズ / アカウンタビリティ / 資料の電子化 / 記録と記憶 / 体制転換 / 人権 / 社会統合 / 国民意識 |
研究概要 |
平成22年度は12月にハンガリー・ブダペストにおいて現地のアーカイブズ調査を実施すると共に、アーカイブズの実務担当者および研究者との研究交流を図った。まず、ハンガリー国立アーカイブズを2日間にわたって訪問し、当該機関の活動全般に関する聴取り調査と体制転換前の記録の扱いに関する聴き取り調査を実施する一方、ハンガリーにおけるアーカイブズ関連法制の調査を進めた。特に今回の焦点を当てたのは体制転換前すなわち社会主義時代の政府記録および共産党(社会主義労働者党)中央の記録に関する扱いであったが、それらはほぼ当時のまま現政府に移管され、計画的にデジタル化による公開が進められていることがわかった。ただし、公開される記録は中央政府の活動に関するものであり、各地域の当該時代の記録については国立アーカイブズの十分な管轄下にあるとは言えないということもわかった。次に中央ヨーロッパ大学の付属機関であるOpen Society Archivesを訪問した。これはソ連を含む体制転換の時代からつづく内戦や政治的抗争にかかわって生じたと見られる人権侵害問題の記録を精力的に収集し、非政治的な立場から主として旧社会主義圏に民主的な社会を構築することを目的に活動しており、いわゆる組織アーカイブズだけではカバーしきれない国際紛争の記録の重要性について示唆を受けた。現地の研究協力機関であるカーロリ・ガシュパール大学人文学部日本学科ではスタッフ、大学院生と交流し、体制転換がアーカイブズに及ぼす影響について議論した。また本研究組織において数年前より進めてきたアーカイブズ研究の現時点での成果を英文報告書にまとめ、各機関に配布した。
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