研究課題/領域番号 |
22330164
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研究機関 | 高野山大学 |
研究代表者 |
藤吉 圭二 高野山大学, 文学部, 准教授 (70309532)
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研究分担者 |
森本 祥子 学習院大学, 人文科学研究科, 助教 (80342939)
磯村 和人 中央大学, 国際会計研究科, 教授 (60241733)
水垣 源太郎 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (10294274)
安倍 尚紀 東京福祉大学, 教育学部, 講師 (90401710)
岡田 順太 白鴎大学, 法学部, 准教授 (20382690)
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キーワード | アーカイブズ / アカウンタビリティ / 資料の電子化 / 記録と記憶 / 体制転換 / 人権 / 社会統合 / 国民意識 |
研究概要 |
平成23年度は各自のテーマに応じて海外調査を実施し、その成果をまとめると共に関連分野の国内外の研究者とも共同で研究会を実施した。9月にはアメリカ・ワシントンD.C.を訪問し議会と議会図書館との関係について現場スタッフに聴取り調査するとともに、サンフランシスコではサンフランシスコ州立大学を訪問し、そこで社会学研究者が加わって進めるデジタルアーカイブズプロジェクトについて、およびGLBT History Museumを訪問してテーマを限定した地域アーカイブズについて調査を実施し、さらにカリフォルニア大学バークレー校に組織論の研究者を訪問して情報・意見交換を行なった。11~12月にはハンガリー・ブダペスト(現地の研究協力者との打合せおよび資料収集の継続)、チェコ・プラハ(国立アーカイブズでの聴取り・資料収集を含めた訪問調査)、フランス・パリ(国立アーカイブズでの聴取り資料収集を含めた訪問調査)を実施した。また、2月には海外のアーカイブズ研究者、実務スタッフとも協力してThe 40th World Congress of Institut International de Sociologie(インド・デリー)においてセッション"Archives for Maintaining Community and Society in the Digital Age"を設け、IT時代においてアーカイブズに求められる課題、期待される役割などについて情報・意見交換を進めた。この成果を踏まえ24年度中には英文報告書を作成し、ひきつづき国際的な研究協力関係を構築していく予定である。さらに、3月には組織マネジメントに関する国際学会(アメリカ・サンディエゴ)での報告を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現研究組織メンバーを中心に2008年6月に国際社会学機構世界大会(ハンガリー)で実施したアーカイブズに関するセッションの成果を踏まえてアメリカ(ワシントンD.C.およびサンフランシスコ)と欧州諸国(ハンガリー、チェコ)での訪問調査を実施できただけでなく、2012年2月に発展したテーマを掲げ国際社会学機構世界大会(ハンガリー)で実施したセッションによりアジア、南アメリカにも海外研究協力者を得ることができ、アーカイブが社会において持つ多面的な機能に関してより広い視野で共同研究を推進する基盤ができつつあるから。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、まず(1)これまでの成果の中間報告として英文の冊子にまとめ、海外の研究者とのさらなる研究交流を促進するための一助とする。アーカイブズは、(a)民主的な社会を維持するための知的基盤である、(b)と同時に歴史的な背景を踏まえ社会によって多様である、という両面を持つ。制度的な面でアーカイブズの理想的なあり方を追究する一方で地域におけるその多様なあり方を把握することが不可欠であり、そのためのステップとして中間報告書を作成する。次に(2)オーストラリアおよび欧州での現地調査を継続し、これまでに明らかになった知見に積み上げをはかる。前者では植民地時代の本国への報告義務から派生した記録管理体制の整備が民主的な政府運営に接続した経緯を、後者では社会主義時代からの体制転換に伴う記録管理システムの変容を精査する予定である。
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