本研究の目的は、東アジア3カ国(日本、韓国、台湾:以下「東アジア3カ国」).に国籍を有する男性と結婚した「国際結婚移民女性」ならびにその家族(以下、「多文化家族」)のウエルビーイングの維持・向上に貢献する東アジア型の多文化家族福祉の構築に必要な援助技術に関する開発と体系化にある。本年度は、多文化家族に対する社会福祉援助技術に関する知識(情報)と技術の体系化のために、日本、韓国、台湾の多文化センター等に所属する専門家を対象に、半構造化面接を行った。具体的には、3カ国の多文化センター等に所属する専門家が、日常的に地域に在住する多文化家族の妻から、(1)どのような相談を受け(相談内容)、また(2)それらの相談内容に対してどのように対応(援助方法)しているかについて明らかにした。(1)の相談内容と関しては、日常的なストレスに関して、家族関係に関して、文化に関して、生活に関して、経済的困難性に関して、意思疎通に関して質問し、3カ国比較を行った。(2)の援助方法に関しては、夫に関する相談への対応、家族に関する相談への対応、文化に関する相談への対応、生活に関する相談への対応、経済に関する相談への対応、コミュニケーションに関する相談への対応に関して質問し、3カ国比較を行った。その上で、3カ国の国際結婚をした女性を対象に、家族形成継続意思に関連する要因についての量的調査を行った。最終的に、上記の内容について報告書を作成した。
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