研究課題/領域番号 |
22330171
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研究機関 | ルーテル学院大学 |
研究代表者 |
山口 麻衣 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 講師 (30425342)
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研究分担者 |
笹谷 春美 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00113564)
永田 志津子 札幌国際大学, 短期大学部, 教授 (60198330)
山井 理恵 明星大学, 人文学部, 教授 (40320824)
森川 美絵 国立保健医療科学院, 室長 (40325999)
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キーワード | 地域 / ケアミックス / ケアリング / 高齢者 / 生活支援 |
研究概要 |
平成22年度は、ケアリング関係の視点から地域ケアミックスを把握するため、北海道Y市及び東京都A市でのフィールド調査(【研究1】高齢利用者・家族への質的調査、事業所ヒアリング)を実施した。前半に行ったY市利用者調査では、これまで十分に得られなかった重度のニーズや認知症の利用者のケアリング状況を把握した結果、ケア資源活性化におけるケアマネジメントの調整機能の重要性やフォーマルなケア従事者とのケアリング関係の重要性、ケアリング関係の複数性を明らかにすることができた。これらのY市の調査結果を中間報告書としてまとめ、次年度の国内・国際学会での発表の準備を行った。年度の後半に実施したA市の事業者調査・利用者調査では、地域包括支援センターや介護保険施設の状況や地域の把握を行ったうえで、重度のニーズの家族介護者などへの半構造的インタビューにより、都市部におけるケアミックスの現状をケアリングの視点から把握することができた。今後、さらに分析を行う予定である。さらに次年度に向けてA市の高齢化の進む集団住宅を一モデル地区として、65歳以上の高齢者のソーシャルキャピタル、ニーズ、サポート状況などのケアと生活状況を把握するために、訪問面接調査を実施することとし、その準備を行い、質問紙をまとめ、調査対象者を決定した。また、次年度行う北欧調査にむけて、フィンランドの動向やヒアリング内容について検討を行った【研究2】。高齢者ケアに関する研究動向・文献調査【研究3】については、英国で行われたPersonal isation of Careに関する日英ワークショップで報告するとともに、英国の動向を把握し、地域ケアミックスの理論的検討を深めた。これらの研究動向を北欧の研究動向と照らしあわせながら、欧州の研究動向をふまえた上での、我が国の状況の理解や分析枠組みの検討をするための論点を整理した意義がある。
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