研究課題/領域番号 |
22330171
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研究機関 | ルーテル学院大学 |
研究代表者 |
山口 麻衣 ルーテル学院大学, 准教授 (30425342)
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研究分担者 |
笹谷 春美 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00113564)
永田 志津子 札幌国際大学, 短期大学部, 教授 (60198330)
山井 理恵 明星大学, 人文学部, 教授 (40320824)
森川 美絵 国立保健医療科学院, 主任研究官 (40325999)
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キーワード | 地域 / ケアミックス / ケアリング / 高齢者 / 生活支援 / 介護者 / 地域支えあい |
研究概要 |
研究2年目の本年度は主に【研究1】の調査と【研究2】の北欧訪問調査を行った。【研究1】昨年度の北海道圏Y市におけるフィールド調査・関東圏A市の家族介護者調査の結果を国内・国際学会で報告した。さらに、関東圏A市でのフィールド調査(高齢化がすすむ団地居住高齢者(65歳以上)への訪問面接法による質問紙調査)を5-6月に、参加型調査として地域の住民や学生の協力を得て実施した(世帯ベースでの全数調査、N=199、有効回答率46.0%)。年度の後半にはA市調査の質的・量的調査の結果を分析・概要をまとめ、地域での報告会を実施したうえで、成果の実践への活用のためのリーフレットを福祉実践者と共同で開発し、報告書をまとめた。A市における調査の成果として、(1)介護者調査では要介護度の程度によっても、ニーズや社会的関係が異なることが示された点、(2)震災後まもない時期に高齢者の独居や夫婦のみ世帯の多い団地の訪問調査を実施したことにより、災害時、緊急時と関連づけて日常の支えあいの課題と可能性が明らかになった点があげられる。また、フィールドである北海道圏Y市の福祉実践者も論者に含めたセミナーを札幌で開催し、Y市の近況や課題を確認するとともに、次年度にむけた議論を行った。共通するテーマとして緊急時の対応があることが明らかになった。【研究2】北欧調査は5月に実施し、フィンランドのタンペレ大学での国際学会での報告、二国間セミナーで協同したタンペレ大研究者とのうちあわせ、現地高齢者施設訪問を行った。これらを通して、北欧の一地域における高齢者ケアの現状と課題について理解を深めた意義がある。【研究3】各自の専門領域で文献調査や情報収集を行い、各人の研究成果も含め研究会やメールなどで共有化を図った。今後さらに、レビューを整理し、実践と理論の統合化をはかる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は計画通り、高齢者への量的調査の実施、北欧への訪問調査、成果の発信のための研究セミナー開催が実施できた。これらの調査結果の分析をもとに報告書をまとめ、学会報告の準備も行っている。最終年度にむけて、2地域のフォローのための調査の検討と、北欧モデルもふまえた、理論的検討を深めて、適切に統合化していくことが課題である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策としては、計画通り、地域フォロー調査を実施することと、北欧モデルとの理論的検討をはかることである。地域フォロー調査については、夏に北海道圏調査、秋以降に関東圏調査を予定している。 調査協力者との調整や予算が問題点となる可能性があるが、研究会で確認しながら実行可能で意義のあるものにしていく。北欧モデルについては、当初は予定していなかったスウェーデンに開催される国際学会で発表する機会を得たことから、スウェーデン訪問によりスウェーデンを含む北欧の研究動向についても理解を深める。地域ケアミックスとケアリング関係に関する理論的検討は今後さらにレビューのまとめや北欧からの示唆の整理を行いながら、これまでの研究と統合化させ、議論を深めながら検討していく必要がある。
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