研究概要 |
本研究は高齢犯罪者等の社会復帰を中心に進む社会福祉と刑事司法との連携について各々の実践現場のフィールドワークを通して課題を明らかにし,効果的な実践に結び付けられるよう実践モデルの提案を行うことを目的としている。 平成23年度は,刑事施設・更生保護施設・地域生活定着支援センター及び刑余者の受け入れ経験がある社会福祉施設へのインタビュー調査を実施した。あわせて,法務省福島保護観察所・自立更生促進センターにおける保護観察官へのインタビュー調査を実施した。これを踏まえ,刑余者受け入れの期待できる社会福祉・医療関係施設に対する調査の準備に取り組んだ。また,調査協力を得ている更生保護施設の事業に対する協力を実施している。 また研究代表者が関連する研究活動として参加した,厚生労働科学研究「触法・被疑者となった高齢・障害者への支援の研究」において実施した更生保護施設に対する悉皆調査についてとりまとめを行った。その成果として調査報告書の作成,学会での研究報告及び研究論文などにより研究成果の一部を公表した。 また研究代表者が専門的助言を得るため嘱託研究員として所属する,龍谷大学矯正・保護総合センターにおけるソーシャルインクルージョン研究会,及び研究協力を得ている佐賀県地域生活定着支援センターにおける勉強会に参加した。あわせて,大阪府地域生活定着支援センターにおける特別調整,および全国地域生活定着支援センター連絡協議会実務委員会にオブザーバーとして参加した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成22年度分研究費繰越分の調査報告等を取りまとめ,平成23年度に予定していた,社会福祉施設や医療機関に対する意向等調査が実施できなかった。また,他研究者及び実務家による調査も増えてきたため現場の負担が大きくなってきており,調査実施の方法を簡便なものへ変更することとした。また研究成果の刊行に取り組み始めた。
|
今後の研究の推進方策 |
他研究者及び実務家による調査と重複してきたことで調査予定先の負担が増していることが明らかとなった。実務現場への負担が増すことも配慮して,ヒアリング及びインタビュー調査を中心としてきた研究計画を,質問紙調査も含め現場の負担軽減を念頭に再構成した。また研究成果の刊行に向けて研究チームで取り組みを進めている。 また,積極的に一般市民向け等セミナーでの発題,学術団体での講演や実務家等との研修を通して,研究成果の公表と活用に努めたいと考えている。
|