刑事政策と社会福祉は高齢犯罪者の増加への関心から社会復帰支援を始めたが,様々な課題があり,我々の調査では,相互に異なる認識と目標の不一致が見出せた。さらに福祉施設は潜在的に出所者の支援を避ける傾向にあった。本研究の目標は,①調査結果分析から望ましい協力関係を作るモデルを考えること,②インタビュー調査から実務家の実存に注目し,理念から望ましい支援の目標をキェルケゴールの思想に沿って考えた。その結果,刑事政策は社会福祉の理解不足を,福祉職は,刑事政策の協力が原因と考えていた。このため,対話プロセスからモデルと価値の共有から支援の目標設定を示した。今後新たな調査で検証が必要である。
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