研究課題
研究期間の最終年度にあたる2012年度は、研究成果のとりまとめをおこなった。第1回研究会では、アメリカの人文学的障害学に関する岩隈報告の後、広瀬浩二郎の研究を題材として日本における「人文学的障害学」の可能性を検討した。第2回研究会では、昨年度実施した「自立生活運動の移入過程」の研究について、小山がソーシャルワークとの協働に焦点をあて、伊藤が介助コーディネートの日米の違いに焦点をあてて、それぞれ報告した。第3回研究会では河口が、イギリスでは1990年代の福祉改革のなかで、障害学や障害者運動とラディカル・ソーシャルワークとの連携が見られたが2000年以降は有意義な連携が取りにくくなっている様子を現地調査から報告した。次に松岡が、アメリカの近年のソーシャルワーク理論における社会モデルの位置づけを報告した。ここでは、アメリカのソーシャルワークが障害学や障害者運動にはかなり距離を置いている様子がうかがえた。さらに、研究成果へのフィードバックを得るために12月15日と16日に京都にて、「障害学の日韓交流」というシンポジウムを2日間にわたって開催した。このシンポジウムでは2つのテーマに焦点を当てた。ひとつは、自立生活運動の形成過程における障害者運動とソーシャルワークとの協働の事例である。これは、英米においては未確認だが、日韓においては一定の協働関係が存在し、また葛藤があったことが確認できた。もう一つの焦点は、アメリカにおける「人文学としての障害学」である。障害を人類の普遍的課題としてとらえること、および、一般市民を対象とした啓蒙や啓発が目的である点を考えると、人文学としての障害学とアドヴォカシー・ソーシャルワークは重なる点が多い。そこで、人文学としての障害学の研究が進んでいる韓国の研究者を招いて研究交流をおこなった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Human Welfare
巻: 5巻 ページ: 33-43
インターナショナルナーシングレビュー
巻: 35号 ページ: 51-60
産業ストレス研究
巻: 19巻4号 ページ: 327-332
http://www.eonet.ne.jp/~aksugino/dskrjp/index.html