研究課題
昨年度までは、中国、韓国、台湾など東アジア諸国において、伝統的価値観、それに、これが反映されると予想される社会生活の諸領域(就労、結婚、社会的葛藤、階層意識など)との関連を検討するためにを一般市民を対象に社会調査を実施してきた。本年度は、これら東アジア地域とは文化的に異質と考えられるアメリカを調査対象地域とした。また、これとの比較のために日本での調査も実施した。アメリカ及び日本において、20代、30代、40代、50代の一般市民男女それぞれ60名、合計480名、両国合わせて960名を対象にインターネット調査を実施した。分析は社会的葛藤に対する反応に与える価値観の影響を中心に行った。個人間葛藤と集団間葛藤のエピソードを示し、参加者には被害者の立場で読んでもらい、加害者が謝罪、正当化、否認した場合のそれぞれについて、加害者をどれくらい赦すか評定させたところ、これまで国の内外で行われた研究知見と一致して、参加者たちは謝罪をした加害者をもっともよく赦した。価値観との関連については、まず「人に被害を与えたら謝るべきである」という謝罪規範を取り上げたところ、この価値観が強い人は謝罪をしなかった人に対して厳しい態度を取り、赦そうとしなかった。別の価値観は寛容性規範で、これは「謝罪をした人は赦すべきである」という信念だが、確かに、この価値感の強い人は、加害者に対して寛容で、赦しを与えることが多かった。このように、本研究は、価値観が人々の社会生活や人間関係に実質的に影響を与えていることを示唆するものであった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (21件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 6件) 図書 (2件)
入間田宣夫・菊池和博(編)、講座東北の歴史5、清文堂
巻: 5 ページ: 107-130
黒住真・佐藤弘夫・末木文美士(編)、岩波講座日本の思想8、岩波書店
巻: 8 ページ: 3-28
心理学研究
巻: 85 ページ: 印刷中
大坊郁夫・竹村和久(編)、社会心理学の新展開、北大路書房
巻: 1 ページ: 印刷中
安川文朗・石原明子(編)、現代社会と紛争解決学:学際的理論と応用、ナカニシヤ出版
巻: 1 ページ: 82-103
日本学研究
巻: 23 ページ: 7-15
空間史学研究会(編)、空間史学叢書、岩田書院
巻: 1 ページ: 9-24
Dolce, L.三橋正(編)、「神仏習合」再考、勉誠出版
巻: 1 ページ: 215-242
Blezer, H. & Teeuwen, M. (Eds.), Ideology in Japan: Buddhism and Nativism, Leiden: Brill
巻: 1 ページ: 29-49
Contemporary Japan
巻: 25 ページ: 87-104
佐藤弘夫・中村春作・内田啓一(編)、岩波講座日本の思想2、岩波書店
巻: 1 ページ: 3-26
集刊東洋学
巻: 109 ページ: 63-75
社会心理学研究
巻: 29 ページ: 25-31
佐藤嘉倫・木村敏明(編)、不平等生成メカニズムの解明:格差・階層・公正、ミネルヴァ書房
巻: 1 ページ: 299-320
谷口泰富・藤田主一・桐生正幸(編)、現代社会と応用心理学7:クローズアップ犯罪、福村出版
巻: 1 ページ: 16-21
International Journal of Conflict Management
巻: 24 ページ: 112-125
巻: 24 ページ: 184-200
法社会学
巻: 78 ページ: 74-83
応用心理学研究
巻: 38 ページ: 231-238
Journal of Media and Communication Studies
巻: 5 ページ: 52-55
子どもの虹情報研修センター紀要
巻: 11 ページ: 39-56