研究課題/領域番号 |
22330182
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大坊 郁夫 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (50045556)
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研究分担者 |
磯 友輝子 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (00432435)
谷口 淳一 帝塚山大学, 心理福祉学部, 准教授 (60388650)
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キーワード | 対人コミュニケーション / 場の活性化 / 非言語コミュニケーション / 発話行動 / 問題解決 / 社会的スキル |
研究概要 |
問題解決課題を与えた、2人、4人によるコミュニケーション実験を設定した。言語、非言語コミュニケーション行動を観察、記録した。2人会話では、実験条件として立場(課題に対する指向性を操作した。指向性の一致群/不一致群を作成した)とスキル(高群ペア/低群ペア:募集時の質問紙の結果を利用して操作した)を操作し、同性同士のペア(52名26組:女性36名、男性16名)による会話を行った。4人会話条件では、男女混合の10組が課題解決条件とチャット条件に配置された。上記と同様にビデオ記録が行われた。立場が異なる場合に相手に対する視線量が減少し、特定の発言が増加、発言量に差が生じることが示された。それらの行動は対人認知や葛藤に否定的な影響を与えていた。また、個人のスキルの程度によって、手がかりとなる行動(=対人認知に影響する行動)に違いが見られた。具体的にはスキル低群では相手から自分に向けられた視線量が葛藤認知などに影響したのに対し、スキル高群では発話の影響が大きく見られた。この結果を踏まえ、参加者が相互作用時に注目していた行動(事後報告)と対人認知の関連性を検討すると、スキル高群は相手の発言内容に注目する傾向が見られたのに対し、スキル低群では音声的な情報に注目することが分かった。以上の結果から、立場が異なることで行動に変化が生じるが、それが葛藤認知に至るプロセスには個人のスキルによる違いが見られることが分かった。また、男女大学生を対象とした社会的スキル・トレーニング事態において、相互作用を行う2者の対人関係種類についての解読、また、設定した2者場面における顔面表情の推移の解読各々において、解読者の社会的スキル、パーソナリティの効果について検討し、非言語チャネルの持つ役割についての検討し、ACT(非言語表出性)の判別力の高さ、また、身体動作の有効な手がかり性が示されている。
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