研究概要 |
対人関係を適切に解読することを学ぶことによってコミュニケーションの誤りは少なくなり、親密な関係を発展させることが可能になる。コミュニケーション行動の特徴を基にして関係を判断しており、その判断を基にして相互作用している。主として、同性による2者間会話、異性による2者間会話、4人集団による会話実験を実施の研究成果を踏まえて、相互作用相手との関係開始・継続の動機、相互作用についての満足、課題解決場面での解決行動との関連について、自他の認知、言語、非言語行動の指標群から場の活性化を目指すために有効なコミュニケーション行動を明らかにすることを目指した。2者間会話の活性化としては、発話時間,手の動きの大きさ,ジェスチャー,頭部移動が有効な指標であった。解決課題の有無を条件とした4人集団会話では、コミュニケーション行動と葛藤認知,心理的な満足度等との関連について検討した.課題解決条件は意見を出し合うことに伴う葛藤が高まりやすいが,同時に参加度,満足度も高い.チャット条件では社会的外向性や非言語的な表出スキルなどの個人特徴が有意な効果を示していた.話し合いに対する満足感は,課題解決条件では話し合いへの積極的な関与が,チャット条件ではメンバーへの配慮が各々重要な要因であった.集団場面での課題解決には主張,他者認知,傾聴,関係調整等の多くの社会的スキルが必要になり,トレーニングの有効なプログラムとして今後の活用がさらに期待される.
|