研究課題/領域番号 |
22330187
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
濱口 佳和 筑波大学, 人間系, 教授 (20272289)
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研究分担者 |
渡邊 弥生 法政大学, 文学部, 教授 (00210956)
森 丈弓 いわき明星大学, 人文学部, 准教授 (00512154)
松尾 直博 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10302902)
岡田 昌毅 筑波大学, 人間系, 教授 (10447245)
櫻井 茂男 筑波大学, 人間系, 教授 (50183819)
石隈 利紀 筑波大学, 人間系, 教授 (50232278)
金綱 知征 甲子園大学, 人文学部, 講師 (50524518)
湯川 進太郎 筑波大学, 人間系, 准教授 (60323234)
戸田 有一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70243376)
渡部 玲二郎 茨城大学, 教育学部, 教授 (80272102)
大川 一郎 筑波大学, 人間系, 教授 (90241760)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 関係性攻撃 / 就労者 / 大学生 / 非行少年 / BPD傾向 / 社会的情報処理 / 相互協調的自己感 / サイコパシー |
研究概要 |
今年度は,当初計画の「研究2:関係性攻撃の規定要因の検討」((2),(5),(6))と「研究3:関係性攻撃と心理社会的不適応・パーソナリティ障害傾向との関連」((1),(3))を実施した.(1)高校生用関係性攻撃傾向尺度(自己報告)の作成:高校生203名(男88,女105)を対象に,高校生用関係性攻撃傾向尺度(自己報告)の原版33項目と秦(1990)の「間接的攻撃」を実施.因子分析により,多次元性の自己報告尺度が構成され,信頼性・妥当性が確認された.(2)高校生における関係性攻撃の規定要因の検討:高校生203名(男88,女105)を対象に,関係性攻撃行動傾向と社会的情報処理(SIP)・応答的行動との関連を質問紙により調査.関係性攻撃傾向は応答的攻撃行動に直接有意な関連を持つとともにSIPを媒介として間接的に関連することが分かった.(3)職場での関係性攻撃と境界性人格障害傾向との関連の検討:全国の20歳以上40歳以下の就労者404名(男105,女302)を対象に,多次元性関係性攻撃尺度(就労者用)と,日本語版BPI尺度(田村・井上(2009)などを実施した.関係性攻撃とBPD傾向との間に有意な関連が示された.(4)大学生の関係性攻撃と反応的攻撃性・自己愛・サイコパシー傾向との関連:関東などの4年制大学に在学する学生397名(男156,女241)を対象に,多次元性関係性攻撃尺度(大学生版)と,BAQ(安藤他),NPI(小塩,1998),サイコパシー傾向尺度(大隅ら,2007)を実施.関係性攻撃は反応的攻撃性の2尺度と二次性サイコパシーとの関連が見られた.(5)非行少年の過去の関係性攻撃経験と,現在のSIPおよびストレス反応との関連:少年院に在院する55名の青年を対象に質問紙調査実施.(6)中学生の用対象別相互協調的自己観尺度の作成:現在実施中.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象となる年齢段階が児童期~成人と広範囲にわたるため,尺度構成,関係性攻撃と心理社会的適応,関係性攻撃とパーソナリティ障害傾向との関連,関係性攻撃と規定要因の検討の全てをもれなく行うことはもとより困難であった,昨年度,今年度と多数の調査研究を実行できたため,ほぼ計画通りの進捗状況となった.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,当初計画の研究2と研究3を合わせて,中学校での縦断調査を予定している.また,オリジナルで開発した攻撃適正化教育プログラムの効果検証も行う.データ収集や調査協力を得ることが困難なので,研究代表者ならびに分担者の研究フィールドを総動員して調査協力校を探す.
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