研究分担者 |
青山 謙二郎 同志社大学, 心理学部, 教授 (50257789)
田中 あゆみ 同志社大学, 心理学部, 准教授 (00373085)
加藤 正晴 同志社大学, 心理学部, 准教授 (20408470)
上北 朋子 同志社大学, 心理学部, 助教 (90435628)
細川 徹 東北大学, 教育学研究科, 教授 (60091740)
|
研究概要 |
本研究では,乳幼児期における,自己受容感覚,知覚,認知,感情,共同注意,動機づけおよび自己発現などの心理現象の発達を検討するとともに,行動発達との関連も検討している。そして,脳科学的な視点を含めて機能的に解明し,発達臨床的な領域への応用の示唆を得ることが目的である。 今年度は研究の二年目であるが,ムービングルームとビジュアルクリフにおける乳児の反応を,自己移動経験を統制して比較検討している。また,ビジュアルクリフにおいて,深瀬の横断行動を気質との関連,そして行動制御との関連において検討し研究報告している。仮想現実的なムービングルーム研究ではスロープ研究を実施し,月齢の発達による反応の変化を検討した。 また,顔刺激提示時の視線パタンの分析を行い,視線パタンが発達と共に特定のパタンへと収束していくことを示した。この行動の発達が顔認知の発達と関連があることは,家刺激提示時の視線パタンが顔認知の場合ほど収束しないことからも示唆された。 幼児期以降の検討では,幼稚園年長児の罪悪感と,その保護者の養育態度を測定し,罪悪感と養育態度の関連について検討した。また小学生5年生から中学3年生626名を対象として,やる気を低下させる親の言葉や態度について,また親との関係性についての質問紙調査を行った。年齢ごとの特徴の分析を詳細に行い,親子の相互作用と動機づけとの関係について,より年少の子どもについても仮説を立てることが可能となった。幼稚園年長児の罪悪感と,保護者の養育態度を測定した結果,幼児期の罪悪感には誘導的しつけが関連することが示唆された。 脳研究では,齧歯類の幼齢期における母親と他個体とのコミュニケーション内容の比較および他者認知に必要な手掛かりの同定を行った。これらの行動に対する海馬の関与が示唆された。加えて,前頭前野の機能停止が学習,情動および社会行動に及ぼす効果を検討した。
|