研究課題/領域番号 |
22330196
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
津田 彰 久留米大学, 文学部, 教授 (40150817)
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研究分担者 |
内村 直尚 久留米大学, 医学部, 教授 (10248411)
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キーワード | 心理的ウェルビーイング / ポジティブ健康心理学 / フィールド・実験的研究 / バイオマーカー / 多施設共同研究 / 縦断的観察研究 / 唾液中コルチゾール / 心理社会的要因 |
研究概要 |
心理的ウェルビーイング(自分を幸福とする主観的評価の特性とポジティブな感情・気分の状態)のストレスと健康に影響を及ぼす心理生物的機能を解明するため、平成23年度は、1)心理的ウェルビーイングと心理社会的要因、バイオマーカー(唾液中の精神神経内分泌免疫学的指標:コルチゾール、MHPG、IgA抗体産生量など)の関連性における縦断的観察研究を行うとともに、2)心理的ウェルビーイングと心理生物学的ストレス反応との関連性について実験的研究を行った。 その結果、心理的ウェルビーイングと心理社会的要因の縦断的観察研究に関して、1年間の追跡調査では心理的ウェルビーイングに大きな変動は見られなかった。心理的ウェルビーイングの高い人が高いまま、低い人が低いままであることが示された。1年間を通して、心理的ウェルビーイングの高い対象者は、ポジティブ特性の楽観性が高いまま、ソーシャル・サポートと非言語的感情表出の増加が見られ、習慣的にストレスマネジメント行動を実行していることが明らかとなった。以上の結果より、楽観性、ソーシャル・サポート、非言語的感情の表出およびストレスマネジメント行動を介入効果のツールとして利用できることが明らかとなった。 心理的ウェルビーイングとバイオマーカーの関連性について、対象者のデータを取り終え入力も完了した。ただし、バイオマーカーの分析には時間を必要とするため、ただいま分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度終了時点で、縦断的研究の調査、バイオマーカーの採取ならびに実験室実験は終了し、現在データ解析中である。当初、23年度中に統計解析まで終了する予定であったが、対象者から質問紙と唾液の回収に時間を要しため、心理的ウェルビーイング全ての解析ならびにバイオマーカー全サンプルの測定が終わらなかった。 いずれもデータ回収は終了しており、平成24年度の計画と並行して解析を進めることは可能である。
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今後の研究の推進方策 |
24年度から心理的ウェルビーイングを高めるストレスマネジメント行動変容の介入と実践の効果研究を行う。申請者らは、大学生を対象にインターネットを介したストレスマネジメント介入経験を持ち、例数を増やすことで、介入効果が一層確実になると予想される。もしプログラムからの脱落者が多くなるような事態が起こったときには、インターネットへのアクセスをパソコンに限らず、携帯電話からも可能にする利便性を試みる。心理的ウェルビーイングを高めるため、対象者へのフィードバック文章の修正も進行中である。
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