研究概要 |
最終年度となる平成25年度は、これまでの色字共感覚に実験データを元に、共感覚の生起機序に関するモデルを考案し、Visual Cognitin誌やFrontiers in Human Neuroscience誌に学術論文として発表した。 また、新たな実験パラダイムにより、色聴共感覚の解明を進めることを計画し,まずは色聴共感覚者が、単音、和音、調など複雑な要因によって共感覚が生起していると考えられたので、非共感覚者における色聴に関する感覚間協応の特徴を調べ、共感覚研究との接点も明らかにした。 日常物体を命名するときにも、無意識のうちに共感覚的認知に基づいている可能性があり、共感覚者と非共感覚者という2分法的な見方をするべきではなく、共感覚的性向が連続的に分布していると考えた方が妥当ではないかと思われるので、7千人を超える全国調査データに基づき、共感覚に関する一般的な認知度、偏見ばかりではなく、共感覚者から一般人までの共感覚傾向の変化要因を明らかにした。 さらに、日本科学未来館での講演「共感覚~あなたは世界をどう感じますか?」を行うなど,一般社会が共感覚を正しく認識するように研究成果を、広く情報発信することにつとめた。
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