研究課題/領域番号 |
22330205
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
渡辺 正孝 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 特任研究員 (50092383)
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研究分担者 |
児玉 亨 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (20195746)
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キーワード | 生理的報酬 / 学習獲得的報酬 / 内発的報酬 / オペラント課題 / 線条体 / 前頭連合野 |
研究概要 |
学習を強化する報酬には、生理的、学習獲得的、内発的なものがある。本研究は、報酬に関係した活動がよく見られる線条体と前頭連合野に焦点をあて、これらの脳部位は3種類の報酬にどのように応じるのかをサルとヒトにおいて詳しく調べ、これらの異なった種類の報酬の機能的相違を脳メカニズムのレベルで解明しようとするものである。 本年度はまず、生理的、学習獲得的、内発的報酬の3つのタイプの報酬に支配されるオペラント反応をサルに学習させるための装置作成と予備的訓練を行った。 (1)生理的報酬に基づく学習では、サルにコンピューターディスプレイ上の特定の図形刺激を選ぶと、餌または液体報酬が得られる、という訓練装置を作成した。 (2)学習獲得的報酬に基づく学習では、同じくコンピューターディスプレイを用いた。ディスプレイ画面の左右に異なった色の視覚刺激が呈示されると、サルはどちらを選んでもよく、一方を選ぶと、そこでは報酬は与えられず、「貯金」されることになり、画面上の数直線における表示(ポイントに相当)が長くなり、もう一方の選択肢を選ぶと、それまでの貯金に相当する報酬が一気に与えられるという課題にした。重要な点として、貯金選択を続ければ続けるほど貯金額は全体として多くなるようにした。 (3)内発的報酬に基づく学習では、これまでにサルに内発的報酬になることが示されている、仲間のサルのビデオや、激しい動きが伴う実写あるいはアニメの作成を行った。サルにはキー押しをするとこうした画像が得られるという学習課題とした。
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