研究課題
6月に研究分担者の藤井・大高がとりまとめた『闘う社会的企業』および研究フィールドの北芝・地域生活支援ネットワークサロンをとりあげた『福祉社会の開発』および本科研の中間まとめである「コミュニティ・エンパワメントの論理」(宮崎)をめぐる研究会を開催し、3年間の分析の総括と今年度とりまとめのための課題整理を行った。そこでは特に、エンパワメント機能をコミュニティが有するための条件としての相同性について検討を深め、(1)支配的価値の反転、(2)実践コミュニティにおける独自の文化と世界観の形成、が相同性の形成のための必要条件として浮かび上がった。9月には麦の郷および地域生活支援ネットワークサロンの補足調査を行った。そこでの課題は、実践コミュニティの相同性を担保するための実践の特質について、麦の郷では諸コミュニティ間の連携実践(業務連絡会など)に焦点を合わせ、地域生活支援ネットワークサロンでは事務局機能について検討した。それらの成果は、2013年9月の日本社会教育学会および同年10月の日本協同組合学会にて発表した。全体の総括シンポジウムは2014年3月に大阪で開催した。そこでは実践コミュニティが分散相同コミュニティを他のコミュニティとの媒介項として生成させ、地域社会関係そのものを発達保障的なものとして創造していること、また分散相同コミュニティは実践コミュニティの自己媒介的な発展の要にもなっていること、さらにそのコミュニティを管理運営するための事務局機能についても同時に発展が求められていること、そしてそのような実践コミュニティの拡張的発展過程で参加者の意識変容が生じていることが3つの事例に即して明らかにされた。以上により本研究の基本課題であったコミュニティエンパワメントの構造と機能について、暫定的な結論を得ることができたと思われる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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協同組合研究
巻: 33(2) ページ: 23,29
生活指導研究
巻: 31 ページ: 未定
所報 協同の発見
巻: No248 ページ: 7,13
社会教育研究
巻: 31 ページ: 1,9