研究課題/領域番号 |
22330209
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
加藤 守通 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (40214407)
|
研究分担者 |
井ノ口 淳三 追手門学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00106014)
下司 裕子(北詰裕子) 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (30580336)
太田 光一 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (40136362)
相馬 伸一 広島修道大学, 人文学部, 教授 (90268657)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | コメニウス / 教育思想 / 啓蒙 / 光の形而上学 / チェコ / 汎知学 / 17世紀思想 / プラトニズム |
研究概要 |
本研究の目的は、ヤン・アモス・コメニウス(1592-1670)中期の思想を代表する主著『光の道』(1641年執筆、1668年刊)に焦点を当て、コメニウスの教育思想の多義的・重層的性格を明らかにすることである。 コメニウスは、17世紀ヨーロッパに生まれ、教育の内容・方法・制度にわたる体系的教育論を提起した。本研究は、コメニウスの教育思想の歴史的位置づけを再考するという全体構想において、とくに哲学的基盤としての汎知学が体系化されていった時期に書かれた『光の道』の意義を日本で初めて解明するものである。 当該年度は、昨年度までの研究成果を各人がまとめる作業を主としておこなった。北詰裕子によるコメニウスに関する包括的な研究(博士論文)など、着実な成果が生み出された。 8月24日に名古屋大学にて開催された日本教育学会の大会では、井之口淳三の企画、太田光一の司会のもと、東京理科大学の大川洋氏を招いて「エラスムスとコメニウス、「言葉と事物」の方法をめぐってというラウンドテーブルを開催した。これは、『光の道』などに見られるコメニウスの思想とルネサンス思想との関係を解明する試みの一つである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的であるコメニウス『光の道』のラテン語原典の通読は、予想以上に早く進み、すでに完了した。また、平成23年度には『光の道』のドイツ語翻訳者であるUwe Voigt教授を研究代表者と研究分担者3名がアウグスブルク大学に訪ね、著作に関する重要な意見交換を行うことができた。平成24年度には、北詰裕子によるコメニウスの博論など具体的な研究成果も生まれている。また、日本教育学会のラウンドテーブルにおいて3年連続でコメニウスに関する部会を開催し、積極的に研究成果の開示を実施した。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度である今年度は、これまでの研究成果を国内外の学会にて積極的に公表する。 (1) 9月に開催される教育思想史学会のラウンドテーブルにおいて『光の道』をテーマにした部会を設け、研究代表者と研究分担者全員が各自の研究成果を公表する。 (2) 10月3日-6日にオランダのナールデンで開催されるドイツ・コメニウス学会の大会にも参加し、研究成果を公表する。 (3) 2月を目途に、研究代表者、研究分担者が会して、年度の研究活動を総括する。 * 研究代表者と研究分担者はともにただちに着手できる状況にあり、健康状況の突然の急変等の事情がない限り、研究計画は予定通りに遂行できる。
|