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2011 年度 実績報告書

政治・行政システムの変動は教育政策をいかに変えたのか―実証分析と政策的含意の提示

研究課題

研究課題/領域番号 22330216
研究機関北海学園大学

研究代表者

荻原 克男  北海学園大学, 経済学部, 教授 (70242469)

研究分担者 村上 祐介  日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (00423434)
川上 泰彦  佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (70436450)
キーワード教育政策 / 教育制度 / 教育委員会 / 地方分権改革 / 教員人事
研究概要

本年度は次の2点を中心として研究を進めた。1)近年の改革課題や国・自治体における政策動向に関連した歴史分析と現状分析,および2)教育政策研究における分析枠組みや方法論に関する検討。
主たる研究成果の概要は以下の通りである。
1-1)国レベルの分析に関しては,過去四半世紀の日本の教育制度の展開と近年におけるその構造的変容の特質を明らかにしながら,今後の展望を探った(荻原2011)。また,教員免許更新制を事例として,民主党と自民党の両政権における教育政策決定過程の比較分析を行った(Murakami,2012)。
1-2)自治体レベルについては,近年の首長主導の教育改革はなぜ,どのようにして起こったのか,またそこでの課題や問題点は何かについて,大阪府・大阪市の事例などを通して検討した(村上2011)。
加えて,教育と福祉との境界領域や他の政策領域の事例を通じて,政策領域の外部環境が内部環境に与える影響について検討した(村上2011)。
1-3)学校と自治体の関係レベルについては,近年の地方分権改革がもたらした変化について,教員人事をめぐる制度運用とその動態分析を通して明らかにした。さらに市町村合併にともなう自治体の機構再編が,人事運用に及ぼす影響について検討した(川上2011)。
2)分析枠組み・方法論に関しては,各レベルの事象を総合的に捉える視点・枠組みについて検討した。本年度は,政策の内部環境と外部環壌という枠組みを用いて,近年の改革事例をどう理解するかについて考察し,その成果を3名の共同研究として学会発表した(荻原・村上・川上2011)。また,実証的な教育政策研究における事例分析の方法論的課題について検討を行った(村上2011)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

国,自治体,学校レベルのそれぞれについて,固有の課題を明らかにした上で理論的・実証的検討を着実に蓄積し,論文等を発表している。さらに,本年度は各レベルの分析をどう統合的に理解できるかに関しても学会で共同研究の成果を発表した。研究はおおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

来年度は研究の総括と取りまとめを行うが,各レベルの分析の総括については3名の研究者による相互の議論を通じて認識と視座の共有化をはかることが求められる。また,現実の改革が急速であるため,来年度についても現実の改革論議に資する研究を実施することを視野に入れる必要がある。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 大阪府における教育関連条例と教育委員会制度の課題2011

    • 著者名/発表者名
      村上祐介
    • 雑誌名

      季刊教育法

      巻: 170号 ページ: 30-35

  • [雑誌論文] 教育経営における『人事』の制度的機能-教員人事行政の制度運用と教員の動態に着目して-2011

    • 著者名/発表者名
      川上泰彦
    • 雑誌名

      日本教育経営学会紀要

      巻: 52号 ページ: 60-74

  • [雑誌論文] 教育制度改革の4半世紀-戦後日本型教育システムの構造変容のなかで2011

    • 著者名/発表者名
      荻原克男
    • 雑誌名

      日本学校教育学会編(図書欄参照)

      ページ: 70-81

  • [雑誌論文] 教育学における事例研究の方法論再考2011

    • 著者名/発表者名
      村上祐介
    • 雑誌名

      教育学研究

      巻: 78(4) ページ: 398-410

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「改革」は制度運用に何をもたらしたか-教員人事行政を例に2011

    • 著者名/発表者名
      川上泰彦
    • 雑誌名

      教育行政学会年報

      巻: 36 ページ: 181-84

  • [学会発表] 教育行政改革の内部環境と外部環境2011

    • 著者名/発表者名
      荻原克男, 村上祐介, 川上泰彦
    • 学会等名
      日本教育行政学会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2011-10-09
  • [学会発表] 自治体の行政委員会制度と縦割り行政2011

    • 著者名/発表者名
      村上祐介
    • 学会等名
      日本公共政策学会
    • 発表場所
      北海学園大学
    • 年月日
      2011-06-18
  • [学会発表] Policy changes in the DPJ government2011

    • 著者名/発表者名
      Murakami, Yusuke
    • 学会等名
      the Association for Asian Studies
    • 発表場所
      Honolulu, Hawaii
    • 年月日
      2011-04-03
  • [図書] 発達障害支援ネットワーク構築に向けて2012

    • 著者名/発表者名
      日本都市センター
    • 総ページ数
      93
    • 出版者
      日本都市センター
  • [図書] 21世紀型学校教育への提言2011

    • 著者名/発表者名
      日本学校教育学会
    • 総ページ数
      285
    • 出版者
      教育開発研究センター

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公開日: 2013-06-26  

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