研究課題/領域番号 |
22330223
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
立田 慶裕 国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 総括研究官 (50135646)
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研究分担者 |
松尾 知明 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (80320993)
赤尾 勝己 関西大学, 文学部, 教授 (90202506)
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キーワード | キー・コンピテンシー / 自律力 / 協同力 / 日本文化 / 物語る力 / ナラティヴ / 学習文化 |
研究概要 |
世界の教育政策の重要な理念として提示された。日本でも青少年の「生きる力」や国民が生涯にわたり身につけるべき「総合的な力」(平成20年中央教育審議会答申)の重要性が指摘され、PISAやPIAACなど国際調査の基礎概念となっている。そこで、本研究は、1)従来外国人研究者により高く評価された日本文化の教育的特質を、キー・コンピテンシーにおける集団での協働力(和の精神)と自律的な力(自主自立)の二つの視点から調査・分析し、2)各国独自の教育文化と比較して国際的に活用可能な尺度や教育内容を提案し、今後のコンピテンシーの国際標準化に貢献する一方、3)日本文化の教育的特質の比較優位性を探り、国際競争社会を生きるための日本の教育政策立案に有効な資料を得ることを目的とする。 そのため、本年度は、次の研究を行なった。 (1)日本文化の教育的特質に関する文献資料の収集を中心にした理論の研究 (2)日本の教育的特質に関する研究会の開催:米国の成人教育のうち、自律的な力としてのナラティヴに関する研究会を開催し、その理論的特質についての研究成果をまとめた。 (3)全国の伝統的な教育活動調査:全国各地に残る伝統的で非定型的な教育の実態として、全国の高校を対象に文化系の活動に関するウェッブ調査を実施し、約1000校の回答を得た。 (4)国際機関との共同による教育の文化的差異性に関する資料収集のため、OECDとユネスコ生涯学習研究所への訪問面接調査を行なった。 (5)前年度に実施したキー・コンピテンシーに関するポニトフォリオの実験研究の成果を国際Eポートフォリオ学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的である協働力については、和の精神の文化についての研究を進め、研究書として刊行したとともに、全国の高校の伝統的な文化系サークルの活動実態のデータを収集した。また、自律的な力としてのナラティヴの研究については、理論的な基盤を固め、24年度においてさらに専門家との国際シンポジウムで報告の予定である。また、具体的なプログラムとしてのeポートフォリオについては、富山大学及び富山インターネット市民塾の協力を得て国際学会での発表を行った。さらに、現在eポートフォリオについては発展的な課題として、各国の比較と日本における事例研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
日本文化の教育特質として、キー・コンピテンシーの自律的な力としてはナラティヴの研究へ深化しており、各国毎のナラティヴの実践の相違を明らかにする。また、自律的な力と協同力を活用するeポートフォリオのプログラムについても、日本の独自性の分析を進めていく。さらに、高校の文化系サークル活動の分析を行うことで、日本の教育において。日本の文化がどのように教えられ、生徒たちの実践的な活動となっているかを考察する予定である。 以上の実践をとらえる文化論と教育を結ぶ枠ものとして、コンピテンシーを文化論の視点からとらえたジェローム・ブルーナーの理論的枠組みを整理し、その枠組みから、日本の優位性を明らかにしていく。
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