本研究最終年度にあたる今年度は、国内外における以下の博物館・資料館並びに研究機関において調査及び面談を実行し、文献やホームページで公開されている以外の貴重な情報を得るとともに、今後の調査に向けたネットワークを構築することが出来た。 ①米軍兵士へのホロコースト教育(於:在日米軍座間キャンプ)②大戦における日本の「加害」面にも焦点を据え高校でも平和教育を行う常本一氏に面談(於:ピースおおさか)③太平洋戦争開戦の契機となった真珠湾攻撃の展示(於:アリゾナ博物館/米国)④旧日本植民地台湾での歴史教育についての調査・面談(於:台湾師範大学台湾史研究所・蔡錦堂副教授)(於:台湾史研究所・張隆志副教授)(於:国立台湾歴史博物館・呉密察初代館長)⑤旧日本軍使用の飛行場跡を利用しながら地域の歴史と戦争の過去との関連付けを主眼におく小規模博物館(於:滋賀県立平和祈念館)⑥冷戦を境にし歴史教育にも大きな変化をみた東欧でのホロコースト教育について面談調査(於:ブダペスト・ホロコースト・メモリアルセンター/ハンガリー) こうした調査の成果の発表は以下の通りである:①第25回ヨーロッパ比較教育学会(於:サラマンカ大学/スペイン)②第62回日本社会科教育学会(於:東京学芸大学)当初の計画にあった書籍としての研究成果発表は、目下は出版会社との協議段階にあり、今後その進捗が待たれる状況にある。 研究の総括として最重要課題のひとつであった国際セミナーを開催できたことは、今年度のみならず、3か年を通じた本研究の最大の成果を生むことができたと考える。実施内容は以下の通りである:「東アジアの歴史教育が捉える日本~上海・香港・台湾の視点から~」講演者:Ed Vickers九州大学准教授、楊彪華東師範大学副教授、呉密察国立台湾歴史博物館初代館長)(平成25年2月20日、於:筑波大学)
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