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2010 年度 実績報告書

ヨーロッパの英語教育と挿絵

研究課題

研究課題/領域番号 22330228
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

寺田 寅彦  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (30554456)

キーワード英語教育 / 挿絵 / 教科書 / フランス
研究概要

本研究はヨーロッパの英語教育において、教科書の中の挿絵の役割を探り、またその挿絵から理解される教育政治・文化背景を明らかにしていくものである。英語は多くの国で学習されるが、当該国にとって異文化である英米言語・文化をどのように表現しているかを分析することになる。
平成22年度は研究対象国としてイギリスの隣国でもあるフランスを選び調査を進めた。フランスでの制度化された英語教育を目的として発行された教科書は、1880年代のものから資料が残っている。その特徴は次の5項目にまとめることができるだろう。
1 日本と異なり、少数の出版業者のみが英語教科書を発行していた。
2 その少数の出版業者が同じ教科書を長年版を重ねて出版していた。
3 挿絵は早くから写真技術を用いたものが見られ、出版技術面から考えると比較的高い技術を用いた挿絵が入っていた。その一方で挿絵を用いない教科書もあった。
4 挿絵は隣国であるイギリスの文化を参照したものであり、19世紀においてはアメリカを参照するものはほとんど見られなかった。第二次世界大戦後に少しずつアメリカにも配慮したとみられる挿絵が生まれた。
5 観光や風俗を参考にしたものは挿絵に多くみられたが、そこにとりわけ政治的な背景を見ることができなかった。その一方で他の外国語(たとえばドイツ語)の教科書と全く同じ挿絵を用いて出版された英語教科書もあり、英語は複数外国語の中の一言語にすぎないという位置づけが明らかだった。
残念なことにルーアン市にある仏国立教育研究所付属博物館が臨時で長期閉館となったために、本年度は博物館での資料調査が行えず、リヨン市にある仏国立教育研究所付属図書館のみで研究が進められたために、必ずしも広範囲に及ぶ資料コーパスを調査できなかったが、それでもフランスにおける外国語教育の一環としての英語教育の特徴を挿絵分析を通して理解する成果を挙げることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 『ムーレ神父のあやまち』の持つ象徴性-描写と挿絵の分析の試み2010

    • 著者名/発表者名
      寺田寅彦
    • 雑誌名

      現代文学

      巻: 81 ページ: 1-24

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本植民地時代の台湾における教科書の挿絵の変遷2010

    • 著者名/発表者名
      寺田寅彦
    • 学会等名
      フランス国立教育研究所(国際シンポジウム)
    • 発表場所
      パリ第四大学(ソルボンヌ)フランス
    • 年月日
      2010-12-03

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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