本研究はヨーロッパで出版された英語教科書のイラストや写真の役割を検討したものである。外国語習得にイラストが有益であるのは、なによりも見て美しく、また文化的背景を学習者に提示するからである。今日出版されている英語教科書のほとんどがカラーイラストの入ったものである所以である。しかしながら、書かれていることと一致しないイラストや、情報過多ともいえるイラストが入っていることがある。それらは歴史的・政治的背景により、テキストの内容ではなく、ナチス・ドイツのスローガンのような政治的メッセージの内容を示しているのである。単なる語学学習が政治的道具に使われることを、本研究は明らかにしている。
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