研究課題/領域番号 |
22330230
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
平川 幸子 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (80314780)
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研究分担者 |
山崎 博敏 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10127730)
永田 成文 三重大学, 教育学部, 准教授 (40378279)
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キーワード | 中途退学 / 基礎教育普及 / コーホート調査 / カンボジア / 教育開発 |
研究概要 |
本研究は、カンボジアの小学校における退学の理由を、コーホートを追跡する長期実証研究によって明らかにすることである。 平成22年度に調査対象コーホートを選び基礎データの収集を3州の30の小学校で行ったが、平成23年度には追跡調査を行って、22年度の調査対象児童が退学したかどうかを確認した。本来は学期の初めの23年11月~12月に調査を行う予定であったが対象地域で大規模な洪水があったため、24年2月~3月にずらして調査を行った。この調査時期の遅れがもたらす影響は、短期的にはあると考えられるが、3年間の追跡調査を考えればさほど大きくはない。 更に、教員の移動が激しく、学校に関する基礎データ(施設・設備、教科書・教材、教員配置状況と資格等)が大幅に変わることが分かったため、学校データをもう一度収集し、年度ごとに更新することとした。また、教員の欠席状況は、出勤簿、教員へのインタビュー等では実態把握が困難であるため、複数の児童のノート(教員が出勤し授業をしていれば、その日付が記載されている)の確認を行うなど、より正確な手段を工夫した。 今後、このデータを入力し、退学の有無を従属変数とするロジスティック重回帰分析を行って、どの要因がどの程度退学に影響しているかを実証的に明らかにする。 追跡調査は、1年生が4年生になり、4年生が中学に進学するまでの3年間継続する。 カンボジア政府の調査によれば、平成22年度の退学率は初めて10%を割り、23年度も8%台を保持した。退学者が少ないと分析の精度が落ちるが、長期的に追跡することで精度を上げることができると考える。 追跡調査の結果を分析し、平成24年度には中間報告の論文を刊行できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
洪水による調査時期の遅れがあったが、長期的な追跡調査の中では大きな影響はないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の調査方法の反省の上に立って、例えば教員の出席状況の把握方法などに工夫をして、今年度(平成23年度)の調査に臨んだが、今年度のデータを精査して更に調査方法を改善し、より正確なデータが得られるように工夫を重ねて行きたい。
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