研究課題/領域番号 |
22330239
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
塚原 修一 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 部長 (00155334)
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研究分担者 |
川島 啓二 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (50224770)
深堀 聰子 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (40361638)
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キーワード | 教育学 / 高等教育 / 学習成果 / 評価 / AHELO調査 |
研究概要 |
高等教育における学習成果(アウトカム)の評価に関する国際比較調査として、OECDによるAHELOの試行的調査が平成22年度から計画された。この調査をふまえて、高等教育における学習成果の評価にかかわる研究を深化させ、高等教育の質保証や教育改善において、各国政府ないし個別大学がAHELOのような調査をどのように活用するべきかを考察して、日本におけるあり方を提言する。OECD側の事情により調査の実施が当初の想定よりも遅れたため、それに影響されにくい部分から研究をすすめた。 1.先行研究の収集と検討を継続した。 2.高等教育における学習成果の評価に関係するアメリカの学会大会などへの参加を継続した。個別の大学において、学習成果の評価の対象となる学生の数は、少数(たとえば500名)を抽出する場合がほとんどであり、学習成果の評価と学生調査(満足度などを中心とした在学生調査)を1年おきに実施する大学もあった。標準テストが有料であり、その実施が評価部局に負担がかかる業務であることなどがその理由と考えられた。 3.高等教育における学習成果の評価、とりわけ標準テストによる評価に対しては慎重な立場もある。 その代表例はイギリスで、学習成果の評価は学問の自由の一環として大学にゆだねられている。また、学習成果の評価には賛成するが、現行の標準テストには問題があるとする指摘や、重要な決定がテストの結果に左右される状況のもとでは、教員がテストに向けた学習指導を行って教育がゆがむとの見解もみられた。しかし、上記のアメリカの事例では、そうした印象はあまり受けなかった。 4.高等教育における学習成果の評価が日本において注目されるにいたった歴史的経緯について、いくつかの論考をまとめて科学技術の社会史を主題とする書籍に収録した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の前提となるAHELOの試行的調査がOECD側の事情によって遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
AHELOのような国際比較調査への参加意図、結果の活用計画、AHELOのような学習成果評価の高等教育への影響など、AHELO調査の遅れに影響されにくい部分の調査研究を先行させる。
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