研究概要 |
本科研では、英国やフィンランドの生涯学習につながる「ラーントゥラーン」にフォーカスし、そこから子どものデータをとるのが趣旨である。しかしながら、調査の意義を説得するのは、なかなか大変だということを痛感した。そこで、データの取り方として、まずは、学校や教師に焦点をあてるのが、政策と実践をつなぐ直道だと考えた。このことから、OECDのプロジェクトTALIS(教師・教授学習調査)に注目した。TALISでは、中学校の200校各校10人に聞いており、PISAデータとの相関を考えている。そこで、TALISテクニカルレポートの設問1から42まで、国内で通用するものかどうか、あるいは独自に授業力などへとアレンジするところをより深く検討した。そして、Black,P.,MC Cormick,R.,James,M.&Pedder,D.(2006)Learning how to learn and assessment for learning : a theoretical inquiry,Research Papers in Education,21,pp.119-132.等を検討した。今後、調査は秋田市等でお願いをする段階にある。また、「ラーントゥラーン」は、算数・数学など教科のみならず、グローバルシチズンシップなど未来型の概念と、コインの表裏であり、重なるものであるとの理解も深まった。そこで、この分野のアセスメントも探求を進めることにした。豪州の南オーストラリア州においても、生涯学習に開かれたアセスメント歴のパスポートを作成し、我が国でのキャリア教育との接点も見いだせた。大学院生と共著で、学会誌に投稿した。なお、『フィンランドにおけるスクールリーダーシップ』と題した冊子を作成し、関係者に配布した。
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