まず、児童・生徒たちのネット利用調査(特にスマートフォンの利用状況)について詳細に調査した。その結果、急速にSNSやオンラインゲーム等の利用が増加していることが分かり、当研究の必要性と緊急性が裏付けられた。なお、研究実績としては、大きく以下の2点が挙げられる。 1.情報モラル指導のためのモデル授業の実践:主に、普通教室やフィールドワーク等でモバイル端末を活用した事例や学校間交流等で積極的に情報発信・表現する授業実践を実施した。モバイル端末(タブレットデバイス)をひとり一台体制もしくはグループ1台体制で活用する事例を蓄積した。これらの授業に関しては、シンガポールへの海外調査も実施し、モデル授業および下記のSNS開発の参考にした。 2.学校教育利用向けSNS(Social Networking Service)を活用した実践事例の蓄積:平成23年度から運用を開始した児童用SNS「きっずコミュネット」は平成24年度も実践事例を継続的に蓄積し、SNSを学校間交流等で適切に利用することが情報モラル指導に役立つことが実践的に検証できた。また、当システムを利用した教員研修においても、教員の情報モラル指導力向上に役立てられた。 3.児童用SNSのシステム評価を実施し、実際の実践事例を元にして、授業中に利用することを前提に機能の絞込みやユーザーインターフェイスのデザインをおこなった。更に、モバイル端末での活用を想定したバージョンとして再度の修正を加えた。その結果を踏まえて、児童用SNSの最終確定版の仕様を策定し、小・中学校にも対応した「スクールコミュネット」を開発した。なお、上記の事例やSNSの普及活動に関しては体験型ワークショップも企画・実施しており、教員研修モデルの策定にもつなげた。案内URL http://www.wakayama-u.ac.jp/~toyoda/project/1226/
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