研究分担者 |
橋本 泰幸 名古屋芸術大学, 美術学部, 教授 (50041190)
若元 澄男 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (50240453)
奥村 高明 聖徳大学, 児童学部, 教授 (80413904)
三澤 一実 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10348196)
神山 貴弥 同志社大学, 心理学部, 教授 (00263658)
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研究概要 |
図画工作・美術科熟達教員の持つ知の実態を解明し,その共有システムを構築するために,昨年同様小学校図画工作科及び中学校美術科の授業取材を中心に次を行った。 1.東京都,北海道,埼玉県,熊本県,山梨県,京都府,鹿児島県,広島県など全国諸地域において実施された熟達教員による授業や関連情報を取材した。授業として,小学校では「くるくるカラフル」「コロコロランド」「心にのこったそのことを」「海と少年」「私の感じる初雪の日」「身近かなそざいでつくる生き物」その他,また中学校では「彫刻のイメージを広げる・伝えるカード」「心のいろがみ」その他を取材した。 2.講演会や研究会への参加を通して,授業や教師の知など課題探求に係る情報収集を行った。 作品が芸術として成立する「よさ」あるいは「美」は,子どもたちが持つ「価値観」によって実感されるが,この実感は方法と意味の理解の高まりに応じて「見つけだされる」特性を持っており,言葉で形式的に「教えられるもの」ではない。そのため,指導は子どもが「自ら発見した」という実感の中での「学び」,つまり子どもたちが「自らの体験」のなかで習得することを指導原理とした方法で行われる。 熟達教員の授業取材を通して,美術・工芸理解に導く題材の選択を前提とし,子どもの「自由」な発想による造形学習が可能であることを原則にした,教室という場のつくりかた,発問の内容と方法,個別の対応など,指導方法の範疇に入る諸々の事柄に対する工夫,配慮などを映像の撮影と共に抽出した。 以上を踏まえ,現在は情報発信のための編集作業を進めると共に,熟達教員の更なる情報の収集及び取材のための選定・依頼作業などを進めている。
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