研究課題/領域番号 |
22330250
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三根 和浪 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80294495)
|
研究分担者 |
橋本 泰幸 名古屋芸術大学, 美術学部, 教授 (50041190)
若元 澄男 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (50240453)
奥村 高明 聖徳大学, 児童学部, 教授 (80413904)
三澤 一実 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10348196)
神山 貴弥 同志社大学, 心理学部, 教授 (00263658)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 熟達教員 / 図画工作 / 美術 / 知 / インターネット / 動画 / フィンランド |
研究概要 |
(1) 教育先進国フィンランドにおける大学及び小学校・中学校の美術・工芸(クラフト)教育の熟達教員を選定するため,フィンランドの教育事情に詳しい人物から「国家カリキュラムとその理念を最もよく実現する教員」を紹介され,授業を取材調査した。その結果,工芸(クラフト)教育で観察した授業は,総じて日常生活にある造形課題を解決するといったものであり,芸術としての「アート」を求めるものではなかった。「工作」の範疇にある内容であって,求める能力は工作の基礎能力の育成と見受けられた。この指導姿勢に,北欧のスロイドシステムの伝統を見るべきなのかもしれない。美術教育で観察した授業は,「技法をしっかりと教える」「技法を教えるために指導を工夫する」といった姿勢が見られるものであった。技術を基礎とするこの考えは,工芸(クラフト)教育に通じるものであると思われた。 (2) 我が国においては,仙台,広島,東京,埼玉その他の地域で熟達教員の授業を観察取材したり,熟達教員と新人教員の授業を取材・比較したりした。両者の授業実践の比較を通して,生徒との対話力・説明力(ガイダンス)・技術指導力・学習整理(総括)力などでの差が存在することを観察した。 (3) 東京都に於いて行ったまとめミーティングでは,熟達教員の知として,[教科内容・教育内容の知]×[人間と子どもの知]×[人間性・人格]といった三者のかけ算構造が挙げられた。また,熟達教員が授業を進める総合的な塩梅感覚や常に学習集団をモニタリングしながら行う共感的な発話によって,開発型の図画工作・美術科教育が実現されていることなどが整理された。 (4) 東京都に於いて熟達教員の知に関するシンポジウムを開催した。ここでは小・中・高等学校教員及び美術館学芸員などを対象に4名の研究メンバーが上記(1)(2)(3)などの成果発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|