本研究では、アスペルガー症候群の青年への聞き取りとり調査、教師・保育士・親を対象とした特別支援教育の評価や意識についてのアンケート調査、高校生への障害理解・啓発のための授業を行い、結果の検討をした。 聞き取り調査では、「集団の枠にはめる指導」への不快体験や教師への「ずれ」を感じたことにより、不適応に影響したことが語られた。アンケート調査では、教師も親も発達障害の認知度は非常に高かった。教師全般には特別支援教育の必要性を理解しつつも、一般教員の特別支援教育に対する評価は管理職よりも低かった。日英教員の比較では、英国の方が特別支援教育の必要性の認識が高かったものの、両国ともに適切に行われていないという否定的評価が多数をしめた。発達障害の理解を意図した授業の効果を検討したが、授業後に社会参加や障害に対する意識が肯定的になるなどの変化があり有効であった。
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