研究課題/領域番号 |
22330258
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中川 辰雄 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00164137)
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研究分担者 |
佐藤 正幸 筑波技術大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50222021)
高橋 優宏 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50315800)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 聴覚障害 / 音源定位 / 補聴器 / 文章了解度 / 両耳装用 / S/N / 音の空間知覚 |
研究概要 |
本年度の研究内容は二つに分かれる。 聴覚障害者の騒音下の聞き取りが困難である原因として音源定位の困難さが指摘されている。音源定位検査と騒音下の文章の了解度(SRT)検査を行い、両者の関連性について検討した。聴覚障害者7名と聴力正常者を対象とした。防音室内に被験者から1m離れた位置に11個のスピーカを15°間隔に半円形に設置した。女性の声による日常生活文を信号源にし、男女5人がランダムに文章を読んだマルチトーカーノイズを雑音源にした。被検者に信号源である女性の声の復唱を求めた。音源定位検査では、同じ11個のスピーカから、それぞれ5回ずつランダムに提示した単語が聞こえてくるスピーカの番号を答えさせた。 その結果、聴力正常者に比較して、聴覚障害者のS/N比で表したSRTが全般に大きいことが見られた。いずれの被検者からも信号源と雑音源が異なるスピーカから提示された方が、SRTの値が小さくなる傾向が見られた。それに対して、音源定位が困難であったのは3名であった。聴覚障害者の騒音下の聞き取りが困難である原因として、音源定位が困難であることが考えられる。 音の空間知覚は音源定位(水平方向と垂直方向)と距離知覚で測られる。聴覚障害者における音源定位と音の空間知覚の関連について検討した。音の空間知覚検査では13問からなる質問を作成し、それに対して「いつもわからない」、「わからないことが多い」、「わかったりわからなかったり半々である」、「わかることが多い」、「いつもわかる」の5件法で回答を求めた。 音源定位と音の空間認知には関連性が見られた。補聴器を両耳装用している検査者の成績と比較して、片耳装用者に音源定位や音の空間知覚が低下していた。しかし両検査で成績がさらに低下していた一名については、その原因を両耳装用だけに帰すことはできず、内耳より上位の神経機能に原因があるのではないかと推測される。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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