研究課題/領域番号 |
22330260
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
新井田 孝裕 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (30222730)
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研究分担者 |
山田 徹人 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (80230465)
谷口 敬道 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (90275785)
靱負 正雄 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20113491)
小町 祐子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (40433619)
青木 恭太 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00125808)
関森 英伸 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (80572396)
平野 大輔 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (90572397)
鈴木 賢治 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助手 (90433599)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 心身障害児・者 / 医療・福祉 / 神経眼科 / 脳・神経 / リハビリテーション / 療育活動 / 近赤外分光法 / 視機能評価法 |
研究概要 |
1.視能訓練士と作業療法士が協働して療育上の視環境を整備し、質の高い支援を提供できることが判明した。2.発達障害児3例に対して知能・言語・眼科および視覚認知検査(TVPS)を実施し、視運動性眼振(OKN)の誘発不良や視覚認知機能の特性を明らかにすることができた。3.心身障害児・者では随意性サッカードの障害を有する眼球運動失行が散見されるため、眼球運動課題を考案しビデオカメラで行動観察による検討を開始した。4.VEPは自覚的応答が困難な心身障害児・者の視機能評価法に用いられるが、固視の保持が難しく、再現性が得られにくい。このため興味を引くキャラクター画像をパターン反転刺激に挿入して検討した結果、従来波形と極めて類似したVEPの抽出できることが判明した。5.顔や表情の認知課題を用いて近赤外分光法と視線解析の同時計測の有用性について検討を開始した。6.自発応答が困難な症例で視反応を客観的に評価するため、視線解析装置でOKNの誘発が計測可能か検討した。7.映像中の顔画像や目領域を認識・追跡し、その中で眼球を検出・計測するシステムを構成し、瞼裂幅の自動計測ができることを確認した。8.視聴覚刺激に対する注意や情動変化を客観的に捉えるため、瞬目頻度や瞼裂幅の経時変化の画像解析と振動センサーを用いた体動観察を行い、データの可視化を試みた。その結果、画像解析により対象児の応答を定量化することが可能となり、介入方法の検討や療育効果を判定する一助となると考えられた。9.2012年7月21日に講演会・研修会を開催し、宇都宮大学の阿山みよし教授に教育講演として「色弱者のための色彩画像強調」を、国際医療福祉大学の内山仁志講師に基調講演として「発達障害の神経基盤と視機能の関係」をご講演いただいた。研修会では瞳孔動揺の周波数解析、事例検討、画像解析による人の状態計測に関して活発な意見交換が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本学は東日本大震災で震度6強の強い揺れに襲われ、建物や一部の計測機器が甚大な被害を受けました。一昨年の夏は節電や電力使用制限令により、学内では日中時間帯の冷房の使用が禁止され、データ収集を円滑に遂行できる環境ではありませんでした。このため、研究の進捗状況は現在でも計画より半年前後遅れております。
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今後の研究の推進方策 |
今年9月の第39回日本重症心身障害学会学術集会での特別講演を控えており、昨年度の申請備品で導入された視線解析装置(Tobii社製TX300)を活用して予備実験とデータ収集は着実に進んでおります。さらに平成24年度から視線解析と瞳孔の研究に精通した連携研究員2名が研究組織に加わったため、研究は十分進展していくと考えている。症例今後、学習障害児や読字障害児における視線解析や瞳孔動揺の周波数解析を含めて検討する予定である。
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