現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は以下の成果を上げている点で、順調に進んでいるといえる。まず、6つの発達モジュールからなる慶應早期発達支援プログラムを開発した。①視覚的・聴覚的注意、②共同注意、③模倣、④言語理解、⑤言語表出、⑥対人的コミュニケーション。それぞれのモジュールを構成する行動の評価項目を90項目に集約し、発達の遅れや偏りを評価する早期発達評価シートを完成させた。それらを用いて家庭訪問型支援を実施し、重度の自閉症児に対して、①視覚的・聴覚的注意、②共同注意、③模倣の向上が見られることを示した(Matsuzaki, & Yamamoto, 2012).)。 家庭訪問支援を様々な現場で活用してもらうために、セラピストトレーニングシステムを開発し、それを用いてセラピーを実施してもらった。開発したセラピストトレーニングは、実際のセラピーの現場をビデオで録画し、それを用いてスタッフで討議し、コンサルテーションを行うOJT(on-the-job training)を含んでいるところに特徴がある。セラピストトレーニングの結果、セラピストの発達支援スキルの向上、および自閉症児の行動獲得と発達促進が示された(松崎・山本,2011)。 家庭での発達支援を、母親に実施してもらうための短期集中指導プログラムを開発し、それが母親行動と自閉症児の発達促進に効果があることを明らかにした(松崎・齋藤・山本,2011)。 家庭訪問支援を継続する中で、模倣(粗大動作、微細動作、音声)が、後のコミュニケーション行動を促進する可能性が示されたので、「模倣」に焦点を当てたプログラムを開発、適用して、その効果を見出した(松崎・山本,2012)。 これらの成果を、様々な実践現場で活用してもらうために、インターネットを使ったコンサルテーションの効果の分析を行った(Koremura, Kondo, & Yamamoto, 2012)。
|