研究課題
本研究では,全盲・重度弱視・発達性読字障害(Dyslexia)など様々な形で視覚に障害を持つ児童・生徒が,インクルーシブな教育環境で晴眼者と同じ科学教材を容易に共有できるようにするため,数式・表・グラフ・図など様々な特殊表記・特殊記号を含む科学コンテンツをバリアフリーな形に自動変換するシステムの研究開発を行う。本研究は大別して,A. 理数系対応DAISY編集・閲覧ソフトウェア開発,B. DAISY対応数式OCRシステム開発の2つの部分から構成される。本年度はまずA.のDAISY編集・閲覧ソフトウェアについて,日本点字図書館の研究協力者等とともに,①障害の特性や用途に応じた「詳細読み」,「なめらか読み」,「簡易読み」の3種類の数式読み上げ法を定めてそれらを切り替える機能を実装し,②前年度製作した音声合成の読み誤り,息継ぎ・抑揚等を修正するインターフェースの改良を行うとともに,③製作したコンテンツをEPUB3出力するためのモジュールを試作した。B.の数式OCR関連としては,④誤認識を少なくするため,OCR実行前にテキスト領域・数式領域・表領域・図領域などをあらかじめ指定するインターフェースを開発し,⑤これまでの日本語文字・英数字・拡張ラテン文字に加えロシア文字を認識する機能を実装した。さらに⑥20冊余の中学・高校の理数系教科書をDAISY化し,全盲・重度弱視・発達性読字障害それぞれ数名の生徒に実際に提供して,意見を聴取した。これらの過程で,今後このシステムをデジタル教科書製作に応用する上での課題が多く明らかになったため,研究内容を精査し,前年度応募として,平成25年度に新たに課題研究をスタートすることになった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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13th International Conference on Computers Helping People with Special Needs, Lecture Notes in Computer Sciences (Springer)
巻: 7382 ページ: 130-137
10.1007/978-3-642-31522-0_19
http://www.gaea.jcn.nihon-u.ac.jp/deims12/