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2011 年度 実績報告書

無限対称性の代数解析

研究課題

研究課題/領域番号 22340005
研究機関京都大学

研究代表者

柏原 正樹  京都大学, 数理解析研究所, 研究員(グローバルCOE) (60027381)

キーワード表現論 / 量子群 / 箙ヘッケ環 / 変形量子化
研究概要

表現論は対称性を研究する数学の一分野である。
近年、古典的な群、リー環では取り扱えなかった対称性を、量子群、ヘッケ環、二重ヘッケ環等の対称性を記述する新しい言葉により、その研究の領域が拡大している。
又、その対象も、個々の事象を扱うことから、その事象全体を総合的に見る圏化の方向も盛になりつつある。これらの表現論における新しい方向をさらに進めて、代数・幾何等を総合的に用いた研究を行った。特に、Khovanov-LaudaとRouquierにより量子群を圏化するために導入された箙ヘッケ環の研究を重点的におこなった。
1.箙ヘッケ環をもちいて量子群の半分が圏化されることは、Khovanov-Lauda、Rouquier等によりこの代数導入当初から知られていた。箙ヘッケ環の商である円分箙ヘッケ環をもちいれば量子群の既約表現が圏化されるであろうと予想されていた。しかし、これに関与する関手の完全性の証明ができなかったため、この問題は未解決であった。
研究代表者は、量子群に現れるある等式を圏化することにより新しい見方を導入して、この証明に成功した。
(Seok-Jin Kangとの共同研究)
2.Andrea D'Agnoloと共同でシンプレクティック多様体の量子化を研究した。シンプレクティック多様体上には自然な量子化が存在することはD'Agnolo-Schapiraにより知られていた。
これは単純な環ではなく、多様体上の環の圏となるが、この自然な構成を与えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

円分箙ヘッケ環による量子群の圏化が証明できたことは、表現論の進展に少なからぬ寄与をした。

今後の研究の推進方策

引き続き、表現論の研究をおこなう。特に、箙ヘッケ環を中心として、圏化、幾何と表現論の関わりを研究する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Categorification of highest weight modules via Khovanov-Lauda-Rouquier algebras2012

    • 著者名/発表者名
      Seok-Jin Kang, Masaki Kashiwara
    • 雑誌名

      Invent. Math.

      巻: 190 ページ: 699--742

    • DOI

      10.1007/s00222-012-0388-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On quantization of complex symplectic manifolds2011

    • 著者名/発表者名
      Andrea D'Agnolo, Masaki Kashiwara
    • 雑誌名

      Comm.Math.Phys.

      巻: 308 ページ: 81-113

    • DOI

      10.1007/s00220-011-1325-7

    • 査読あり
  • [学会発表] Cyclotomic quiver Hecke algebras and Categorification of quantum groups2011

    • 著者名/発表者名
      柏原正樹
    • 学会等名
      KAIST colloquium
    • 発表場所
      KAIST, Daejon、韓国
    • 年月日
      2011-06-30

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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