研究課題/領域番号 |
22340005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 研究員 (60027381)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 表現論 / 量子群 / 箙ヘッケ環 / ワイル・シューア双対性 / 不確定特異点ホロノミック系 |
研究概要 |
表現論は対称性を研究する数学の一分野である。古典的には、群、リー環などをもちいて対称性を研究してきたが、近年、それらでは扱えなかった対称性が量子群、ヘッケ環、二重ヘッケ環等の新しい言葉の発達により扱えるようになり、その研究の領域が拡大している。又、個々の事象を扱うことから、その事象全体を総合的に見る「圏化」の方向からの研究も盛になりつつある。これらの表現論における新しい方向をさらに進めて、代数・幾何等を総合的に用いた研究を行った。又、将来、表現論のみならず他分野にも応用の見込まれる、不確定特異点型ホロノミック系に対するリーマン・ヒルベルト対応を帰納層の概念を用いることにより、定式化することに成功した。さらに具体的には次のような成果があがった。 1. 箙ヘッケ環をもちいて量子群の半分が圏化されることは、Khovanov-Lauda、Rouquier等によりlこの代数導入当初から知られていた。箙ヘッケ環の商である円分箙ヘッケ環をもちいれば量子群の既約表現が圏化されるであろうと予想されていた。 しかし、これに関与する関手の完全性の証明ができなかったため、この問題は未解決であった。研究代表者は、 量子群に現れるある等式を圏化することにより新しい見方を導入して、この証明に成功した。(Seok-Jin Kangとの共同研究) 2. 不確定特異点型ホロノミック系に対する、リーマン・ヒルベルト対応を帰納層の概念を用いることにより、定式化することに成功した。1次元の場合は証明に至った(Andrea D'Agnoloとの共同研究) 3. 箙ヘッケ環はパラメーターを持ち、それが特別な場合は、その既約表現は量子群の大域基底に対応することがしられていた。このパラメータが一般の場合も同様の結果が成り立つことをしめした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
不確定特異点型ホロノミック系のリーマン・ヒルベルト対応の突破口を見いだしたことは、大きな進展である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、表現論の研究をおこなう。特に、箙ヘッケ環を中心として、圏化、幾何と表現論の関わりを研究する。又、不確定特異点型ホロノミック系のリーマン・ヒルベルト対応に関する研究も継続する。
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