研究分担者 |
今野 一宏 大阪大学, 理学研究科, 教授 (10186869)
臼井 三平 大阪大学, 理学研究科, 教授 (90117002)
藤木 明 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80027383)
後藤 竜司 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (30252571)
川口 周 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20324600)
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研究概要 |
次元が2以上で真の固有解析的部分多様体を有しないコンパクト複素多様体のことを超単純多様体(very simple manifold)と命名し,その連接層の有界導来圏上の有限なコホモロジカル関手には表現可能でないものが必ず存在することを明示的に示した。この結果はBondal-Van den Bergh氏の射影代数多様体の場合の表現可能性と対極的な結果であり,また氏らによる曲面の場合の結果の一般化である。結果は,論文"K.Oguiso,Bounded derived categories of very simple manifolds"(掲載決定済)にまとめ,国際研究集会Complex Geometry,Group actions and Moduli spaces(satellite conference to ICM 2010),GCOE Conference,Derived Categories 2011で招待講演した。 Schroeer氏との共著Enriques manifolds(J.Reine Angew.Math.に掲載確定済)により,エンリケス曲面の点のヒルベルトスキームの普遍被覆多様体はカラビ・ヤウ多様体である。エンリケス曲面が十分に一般であれば,このカラビ・ヤウ多様体の自己同型群は位数2のアーベル群3つの自由積を含み,特にその一般元は正のエントロピーをもつことを発見した。正のエントロピーをもった正則自己同型を許容する任意偶数次元のカラビ・ヤウ多様体の存在を示す初めての例であり,その構成も系統的である。この結果と超ケーラー多様体に対する類似の結果を現在論文にまとめている。これらの結果及び先行する結果については,国際研究集会Workshop on Lattices,Reflection Groups and Algebraic Geometry,Research on Complex Dynamics and Related Fields,Workshop on Algebraic Geometry,Complex Dynamics and their Interaction等でも招待講演し,力学系の研究者からも興味をもたれた。
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