研究課題/領域番号 |
22340010
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
吉岡 康太 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40274047)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ベクトル束 / モジュライ / 導来圏 |
研究概要 |
複体の研究:本年度は主にアーベル曲面の複体について、Bridgeland安定性についての研究を行った。とくに Bridgeland stable object のモジュライについてアルバネーゼ写像に対する相対的movable cone の構造を記述した。 また安定層のモジュライ空間の極小モデルがBridgeland stable object のモジュライで記述されることをしめした。さらにその応用として、階数1のtorsion free sheaf のモジュライの双有理的特徴づけを得た。 10年度から11年度前半に完成させたPerverse coherent sheaf に関する論文について、査読者の意見を取り入れ大幅な書き直しを行った。論文は2分割され第一部は学術誌への掲載が決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究でDonaldson不変量についてのWitten予想を代数曲面の場合に解決し、またK3曲面やアーベル曲面の場合にBridgelandの意味で安定な対象のモジュライが射影的スキームになることを示している。さらにモジュライ空間上のAmple coneやmovable coneを調べる新たな方法を開発しているから。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きBridgeland安定対象のモジュライ空間の双有理的な性質を調べる。とくに曲面のネロンセベリ格子が比較的単純な場合にpositive cone やmovable coneの構造を調べる。
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