研究概要 |
平成22年度は,主に3つのテーマに焦点を絞り,研究を遂行した. (1)最適な光直交符号,Conflict avoiding codeの構成に関する研究 本研究は研究代表者と分担者三嶋が担当し,符号の重みが3の場合に,これまでの研究で未解決であった符号長について,最適なconflict avoiding codeの構成法を与えた.本研究成果は,IEEE,ITに掲載された. (2)自然減衰に対応した量子符号の最適性と最適符号の存在に関する研究 本研究では,量子ジャンプ符号と呼ばれる組合せ構造について,量子減衰,量子ジャンプによる誤りを訂正するための組合せ構造を精査し,それをまとめてクロアチアでの国際会議で3時間の招待講演で発表を行った.また,その講演内容は情報通信に関する英文の著書の1章としてヨーロッパの出版社から出版公表された.本研究では,専攻研究で得られていた符号の次元に関する限界式を特別な符号長,符号重み,誤り訂正能力の場合に改良できることを示した.その後,より広い符号系列に対して,その方法が一般化できることを示した. (3)(2)の研究に関連して,アフィン幾何の平面から成る2-designをより会合数が小さい2-designに分割できることを示した.本研究成果は,量子ジャンプ符号のみでなく鍵分散暗号にも応用可能であることを示した.
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