研究課題/領域番号 |
22340018
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
磯 祐介 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70203065)
|
研究分担者 |
中村 佳正 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50172458)
久保 雅義 京都大学, 情報学研究科, 講師 (10273616)
藤原 宏志 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00362583)
今井 仁司 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (80203298)
大西 和榮 茨城大学, 理学部, 教授 (20078554)
|
キーワード | 数値解析 / 数値計算法 / 多倍長数値計算 / exflib / GPGPU / 輸送方程式 / Tricomi方程式 |
研究概要 |
電子計算機内で扱われる浮動小数点数の精度は、一般的の数値計算環境ではIEEEの定める国際基準に従って固定されている。これに対して本研究では、代表者の先行研究で提案されている、この精度を可変とする新たな数値計算環境における高精度数値計算法を確立することを目的としており、平成22年度は逆Laplace変換の高精度数値計算法と、GPU(Graphic Processing Unit)の一般利用(いわゆるGPGPU)による計算環境の充実等に焦点を当てた研究を行ない成果を得た。 逆Laplace変換の研究においてはSawano-Fuliwara-Saitoの方法とHosonoの方法との比較を高精度数値計算環境exflibを活用して数値実験を行ない、それぞれの方法の特徴を比較した。特に注目すべきことは、パラメータの選択如何によってはHosonoの方法の高精度性が確認された。GPGPUの研究では多数のGPUを活用した廉価な並列環境で、部分的にはexflibを越える計算効率を確認した。この他には、光トモグラフィを目指した輸送方程式に対する上流スキームの提案および大規模数値計算、Tricomi方程式の高精度数値計算の実現において成果を得た。なお、平成23年3月納入予定の計算機の納入が東日本大震災のために2週間程度遅れて4月初旬となり、また分担者の一人が被災したために平成22年度の本課題研究成果を含む多倍長数値計算環境に関する著書の準備に関する年度末の研究連絡の延期により、1,051,165円を繰越した。計算機は4月には当初予定通り稼働したために当初研究計画の遅延はなく、研究連絡は被災した分担者の環境が整うのを待って平成23年9月に行い今後の編集の方針を議論した。(ただし繰り越した旅費の端数(10,245円)の処理は平成23年12月に行なった。)以上のような事情で、経費繰越による研究計画の遅れは殆んどなかった。
|