研究課題/領域番号 |
22340020
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白井 朋之 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70302932)
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研究分担者 |
種村 秀紀 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40217162)
香取 眞理 中央大学, 理工学部, 教授 (60202016)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 行列式点過程 / パフィアン点過程 / 相関関数 / ダイソンモデル / オコネル過程 |
研究概要 |
24年度は以下の問題を設定して研究を行なった. 1) ギニブル点過程のパーム測度の絶対連続性.2) ランダム解析関数の中心極限定理と零点分布.3) 時間発展を伴うエアリー過程の構成と性質.4) オコネル過程とマクドナルド過程の性質. 1)に関してはギニブル点過程とよばれる対称性の高い点過程に対して,それ自身と原点に点があると条件付けた条件付き測度(パーム測度)の特異性を示すことができた.この研究はギニブル点過程のマーク付きの時間発展を考える上で重要な示唆をすることがわかってきた.2)については,以前証明したランダム解析関数列に対する関数型中心極限定理について論文にまとめたものが出版された.さらに,いわゆるカッツ多項式とよばれるランダム解析関数の零点分布についての研究に着手した所である.3)については,研究分担者により研究が進んでいるが,エアリー過程の時間発展を確率微分方程式の形に書くという方向で研究されている.技術的に難しい所を含む問題で,最終結果にはもう少し時間を要するようであるが今度の進展が期待される.4)については,昨年度末にイギリスのワーリック大学で行われた会議とグラスゴー大学で行なわれたボロディン教授(MIT)の集中講義のノートを元にして,千葉大学で行なわれた勉強会にて白井が発表を行ない,オコネル過程やマクドナルド過程に関連する問題の把握を進めた.オコネル過程とマクドナルド過程の関係については未知の部分も多く,現在,研究分担者がオコネル過程についての研究を行なっている状況である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までいくつかの課題を設定して研究を行なってきたが,概ねそれに沿った結果を得ることができた.特にギニブル点過程やダイソンモデルなどの行列式点過程についての知見はかなり深まったものと思われる.
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今後の研究の推進方策 |
これまで予定通りほぼ順調に進んでいるので,最終年度である今年度はこれまでと同様の方向性で,さらに内容を深める研究を進める予定である.
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