研究課題/領域番号 |
22340023
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 玄 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50118535)
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研究分担者 |
川下 美潮 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80214633)
田沼 一実 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60217156)
渡邊 道之 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90374181)
代田 健二 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (90302322)
本多 尚文 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (00238817)
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キーワード | MRE / 粘弾性 / 光トモグラフィー / 逆問題 / 解の構造 |
研究概要 |
本研究は、弾性方程式族の逆問題とそれに必要な弾性方程式族の解の構造について研究することが研究目的である。研究実施計画では、(i)MRE(magnetic resonance elastography)のデータ解析と粘弾性方程式の解の構造の研究、(ii)光トモグラフィーの研究、(iii)弾性波の散乱の逆問題の研究を計画した。 (i)次のa)とb)の研究成果をあげた。 a)粘弾性方程式の解の時間指数減衰 混合型境界条件と区分的に滑らかな係数をもつ粘弾性方程式の初期値境界値問題に対して、境界データ以外は全てゼロとし、境界データの時間に関する台が有界ならば、解は時間的に指数減衰することを示した。ここで、粘弾性はMaxwell型やZener型を含む一般の微分積分型の粘弾性であり、境界はコンパクトとし、係数の不連続性は境界に到達しないものとする。 b)MREのデータ解析 生体の粘弾性率同定をMREにより行う場合のモデル方程式は、近似的に非圧縮定常粘弾性方程式である。これが修正ストークス方程式で近似出来ることを示した。また、この方程式の解から係数を同定する逆問題の安定性について、粘弾性が等方的な場合に考えた。解の勾配のvanishing orderの上からの評価、解析的集合に対するL-regular stratificationと解の球面調和関数による近似展開とを用いた解のcriticalsetのサイズ評価、coarea formula等を総動員して、係数同定逆問題の安定性が得られるとの確証を得た。 (ii)光トモグラフィーについてdynamical probe methodを適用して、未知介在物形状と その中の吸収係数の同定を試みた。未知介在物の形状同定はうまくいったが、吸収係数の同定は未だ解決出来ていない。 (iii)については、(i)、(ii)の研究に時間がかかってしまい研究することが出来なかった。
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