研究分担者 |
志賀 啓成 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10154189)
藤川 英華 千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80433788)
松崎 克彦 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80222298)
水田 弘 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093815)
佐官 謙一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70110856)
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研究概要 |
今年度は以下に述べるようにいくつかのテーマに沿って研究を行った. 1. 退化ベルトラミ方程式の同相解の研究.佐官氏,Gutlyanskii氏と共同で,半円環のmodulus(対数容量の逆数に相当)を定義し,写像による歪曲度を調べることにより境界での連続度について精密な結果を得ることができた.本研究については,研究代表者がインド工科大やマカオ大学における国際集会で発表を行った. 2. Yong Chan Kim氏と共同で単葉函数のベキ変形の研究を行った.これは既知の積分変換から自然に導かれる変形であるが,これまで組織的に研究されたことはなかった.この変形の一部が正則運動を与えることから,今後はタイヒミュラー空間への応用が期待される.これについてはzf'(z)/f(z)の変動領域と密接な関わりがあることがわかり,現在は柳原氏連絡を取りながら研究を続けているところである. 3. Seong-A Kim氏,Kyunghyun Cho氏らとの共同研究において高階のシュワルツ補題について研究を行った.これは高階不変微分や高階不変シュワルツ微分などの評価への応用が見込まれ,今後さらなる研究を行う必要がある.また,Nevanlinna-Pickの補間問題とも密接な関係があり,今後その方面への応用も期待される. これら以外にも,函数論分科会が所掌する研究集会やセミナーを企画・援助するなどし,研究分担者や他の研究者らと研究討論を行った.
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