• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

測地流の転移作用素と半古典ゼータ関数の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22340035
研究機関九州大学

研究代表者

辻井 正人  九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (20251598)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワード力学系理論 / エルゴード理論 / 転送作用素 / 力学系のゼータ関数 / 量子カオス / 周期軌道 / 測地流 / フランス
研究実績の概要

本年度の研究活動の成果は主に次の2点である.

第1はこれまでの研究結果についての論文の執筆および公表・出版である.昨年度から続けている負曲率多様体上の測地流(または、接触アノソフ流)の半古典ゼータ関数の研究の成果について、論文を執筆し公表した.おおよそ100ページの大部の論文となったがこれまでほとんど知られていなかった力学系のゼータ関数の零点の分布について、特に半古典ゼータ関数の場合にそれが虚軸の近傍に集中することなどの重要な結果を与えた.論文は現在投稿して査読を受けている.一方、昨年度執筆した前量子アノソフ写像(接触アノソフ流の時間離散的モデル)について、査読者からの意見をもとに今年度に大幅な改定を行い、フランス数学会が出版する Asterisque の一巻として出版されることになった.

第2は円周上の拡大写像の懸垂流として得られる拡大的な半流について、 Parry と Pollicott による、いわゆる「素周期軌道定理」(力学系の周期軌道の周期について素数定理の類似)の剰余項について、精密な漸近評価を得たことである.今回得られた結果は、系についての生成的な条件のもとで、不定曲率曲面上の測地流について古典的な Huber の結果に相当する結果を与える、すなわち、ある値Tよりも小さな周期を持つ素周期軌道の個数が、Tが大きくなる極限においていくつかの共鳴項とそれらに比べて指数的に小さな剰余項の和として表され、最後の剰余項の指数オーダも最大リヤプノフ数と位相エントロピーの比によって具体的に与えられる.論文はプレプリントとして公表されている.(arXiv:1502.00422)

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 拡大的半流における素周期軌道定理の誤差項の評価2015

    • 著者名/発表者名
      辻井 正人
    • 学会等名
      2014年度冬の力学系研究集会
    • 発表場所
      日本大学軽井沢研修所
    • 年月日
      2015-01-12 – 2015-01-12
  • [学会発表] Resonances for geodesic flows on negatively curved manifolds2014

    • 著者名/発表者名
      辻井 正人
    • 学会等名
      国際数学者会議
    • 発表場所
      韓国 ソウル COEX
    • 年月日
      2014-08-14 – 2014-08-14
    • 招待講演
  • [学会発表] Spectrum of transfer operators for expanding semi-flows2014

    • 著者名/発表者名
      辻井 正人
    • 学会等名
      ICM 2014 Satellite conferene "Dynamical systems and related topics"
    • 発表場所
      韓国 大田 忠南大学
    • 年月日
      2014-08-11 – 2014-08-11
    • 招待講演
  • [図書] Prequantum transfer operator for symplectic Anosov map2015

    • 著者名/発表者名
      Frederic Faure and Masato Tsujii
    • 総ページ数
      225ページ(程度)
    • 出版者
      フランス数学会 Asterisque

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi