研究課題/領域番号 |
22340038
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
三浦 則明 北見工業大学, 工学部, 教授 (30209720)
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研究分担者 |
桑村 進 北見工業大学, 工学部, 助教 (20271538)
一本 潔 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70193456)
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キーワード | 補償光学 / 多層共役 / 太陽観測 |
研究概要 |
常設補償光学系の構築に向けて、必要な素子の購入が終了し、光学素子を保持する機構の開発を進めた。ここで使用予定の新しい可変形鏡のテストを実施し、ステップ応答が0.45msで現装置の2倍高速であり、ゼルニケモードは少なくとも36項までのの再現が可能であることを確認した。これにより、新しい装置では大幅な性能向上が期待できる。 新しく購入したCMOSカメラを用いて、波面センシング用カメラのグレードアップを行うとともに、tip-tilt装置の改善を実施した。これによって、シーイングが比較的良い場合には、粒状斑での波面センシングが比較的安定して可能となった。また、対象が黒点のときには、ほとんどの場合にAOの効果を確認した。 新しい上空波面センサーの開発を実施した。この手法は、太陽像の伸縮の補正を目的としているため、従来のようにCTの原理を用いる必要がないという特徴を持っている。計算にシミュレーションからは、良好な結果が得られた。しかしながら、開発に時間がかかってしまったため、観測に適用するには至らなかった。 上空の揺らぎ層の高さを検出するための予備観測を実施した。観測の結果、SCIDARの原理を利用することが可能であることがわかったので、その手法の開発を実施しほぼ完成させた。 ソフトウェアについては、クラス構成の見直しなどを進めた。得に、GPU導入の効果ついて実験を行ったが、CPUからGPUへのデータ転送に時間がかかるため現状よりも高速化されないことが判明した。これについては、引き続き研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上空波面センサーの開発に時間がかかってしまったため、マルチコンジュゲートAO装置をまだ観測に適用できていない。他の項目はほぼ予定通り進んでおり、総合的に(3)やや遅れいている、と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度5月の観測において、揺らぎ層の高さを測定する観測を実施する。そこで得られる情報を用いて光学系を確定することで、マルチコンジュゲートAO装置が完成する。この装置を9月の観測に用いて、結果を評価する。
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